セルフディベートの活用法
「反◯◯!」は楽でいい
今、最も権力のあるものや、メジャーなもの、成功しているものに反対や反発を示して「反◯◯!」を掲げると、問題意識があって、しっかりと考えているかのように見えます。ただ、何かを壊したり終わらせたりすることは、新しく何かを立ち上げたり作り続けたりすることに比べると簡単なので、一歩引いて、冷静に判断したいとも思います。何でもかんでも「反◯◯!」な人や組織は、信用するのがむずかしいのです。もし、古い体制や悪しき慣習を壊した先に、新しく作りたい何かのビジョンが見えれば、「反◯◯!」な人や組織でも、信じてみたいと思えるのですが…。
圧力なき同調
小論文や国語の読解問題で、「筆者の主張(考え)をふまえた上で、あなたの意見を述べなさい」というものがあります。「あなたの意見」なので、筆者への気遣いは無用、つまり筆者の意見に賛成しても反対しても、そのどちらかだけが正解だったり、得点が高かったりする訳ではありません。チェック(採点)されているのは、筆者の主張や意見を適切に掴めているか、そして「あなたの意見」に辿り着くまでの過程が、説得力のあるものになっているか、です。日本人は同調圧力に弱い、と言われていますが、圧力など微塵も存在しないような「小論文を書く」という機会においても、なぜか筆者に同調した形で書く人が多く見られます。
「同じ意見です」はイバラの道
上述したように、筆者の意見に対して「賛成」でも「反対」でも、どちらでも良いですし、「あなたの意見」に正解も不正解もありません。けれども、筆者の意見に「賛成です」の形で小論文や解答を仕上げていくことは、実は結構骨が折れるのです。小論文や読解問題を、評価する側のチェックポイントのひとつである「説得力のあるもの」にするのが難しいからです。「筆者と同じで〜」とする場合、すでに筆者が述べている根拠をトレースする形で終わってしまいやすく、そうなると評価する側には「本当にそう思ってるのかなぁ」と疑問が生じ、「今ひとつ説得力に欠ける」という印象が残ります。筆者と同じ意見であっても、展開に説得力を出すためには、自ら新しい具体例を出す必要があります。裁判における再審請求の難しさ(新たな証拠を見つけなければ、裁判のやり直しは十中八九実現しない)と似ていますね。
入口としての二項対立
「筆者に賛成」で難しいのであれば、「筆者に反対」で展開すれば説得力が増すのかと言うと、それも簡単ではありません。冒頭で述べたように、筆者が挙げている根拠や事例に対して、一つ一つ取り上げて「私は違うと思いまーす」という形では、ただの天邪鬼に見えかねません。賛成でも反対でも、一度は「自分ごと」に落とし込む必要があります。また、自分の意見と思われるものに対して、あえて逆の意見(立場)から考えてみることも重要です。当サイトのコンテンツ「セルフディベート」の目的は、是非を決めることではなく折衷案を考えることですが、そのために、まずは二項対立から考えていく形をとっています。小論文対策にも有効ですので、ぜひ活用してください。
記事タイトル | セルフディベートの活用法 |
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掲載日 | 2024年6月8日 |
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