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ガスライティング

ガスライティングとは

「ガスライティング」という言葉があります。これは、古い映画「ガス燈(1940)」に由来するものです。「ガス燈」は、夫婦間の問題や家の中で起こった問題について、常に妻の責任にされることで、妻は自分の認識や判断に自信がなくなっていく…というようなストーリーです。これになぞらえて、「本来は自分に問題があるにもかかわらず、巧みな言葉や理詰めで人を惑わせて、相手が悪いと思わせるなどの心理操作をすること」を「ガスライティング」と呼ぶようです。

ガスライティングが発生しやすい条件

ガスライティングは心理的虐待の一種なのですが、夫婦間や恋人間、親子間など、親密な関係で発生しやすく、それだけに本人も周囲も気がつきにくいため、抜け出すことが難しいことが問題とされています。また、虐待を受ける側の共感力が高かったり、素直だったりした場合に発生しやすいため、いわゆる「良い人」が巻き込まれてしまう事が多いのが特徴です。加えて、相手を尊敬したり好きだったりした場合にも、ガスライティングが発生しやすいようです。

仕事とガスライティング

先日、仕事の場面という、どちらかというとガスライティングが発生しにくい状況で、それに巻き込まれている人達を見ました。大きなプロジェクトを進めるうえで、クライアント側がかなり無理な要求をしてくるのです。このプロジェクトには複数の会社が関わっており、それぞれが「このクライアントはちょっと…」と思っているようなので、問題があるのはクライアントであることは間違いなさそうですし、同時に「こうすればもっと良くなると思いますよね?」「良いものを作りたいんです!」「プロジェクトのためにこうしているんです」といった、ガスライティングでありがちな言い回しや言葉を使っているようなので、ガスライティングを使って仕事をするクライアントであることに気づきました。

ガスライティングかどうか

例えば親が子どもを教育する際には、弱いガスライティングを使う場面は多いと思います。親子関係のパワーバランス、子どもの素直さや所属している世界の狭さ、さらに親が子どもの将来を思う気持ちと、子どもが親に対して抱く尊敬や愛情など、すべてがガスライティングに最適だからです。また、理論的であろうとする人ほど、ガスライティングを作り出してしまう可能性も高いようです。心配や愛情、理論や正論は、普段は正しく美しいものですし、そうであってほしいものですが、閉じた環境では間違った方向に進むことも多いのでしょう。ガスライティングを発生させないためには、コミュニティをオープンにしたりするなど、関係を常に公開し続けなければいけません。「客観的な視点」を得るには、自分でシミュレートするだけでは不十分で、本物の第三者を呼んでこなければいけない、ということです。

記事タイトルガスライティング
掲載日2024年7月27日
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