リクガメの生存戦略
問題
カメは爬虫類に属する生き物ですが、なんといっても一番の特徴はその「甲羅」です。水中で暮らすカメは泳ぎに適した流線型の甲羅を、陸で暮らすカメは防御のための分厚い甲羅を持っています。
陸で暮らす「リクガメ」の仲間には、甲羅の形に生存に役立つ特徴をもっている種類がいますが、その特徴とは何でしょうか?
ヒント
- リクガメの甲羅は高さがあります
- 「万が一」のときに役立ちます
- 甲虫の中にも、同様の特徴を持ったものがいます
答え
ひっくり返ったときに、比較的かんたんに起き上がれる甲羅を持つカメがいます。このようなカメの甲羅は、ひっくり返っているどの角度でも安定しないため、自然と正しい位置に戻ろうとするのです。
「おきあがりこぼし」はおもりの位置が重心からずれることで起き上がりますが、カメの甲羅は幾何学的に安定する状態が決まっており、そうでない状態ではその状態になろうとする力がはたらきます。このような形状のうち、もっとも洗練されたもの(ひとつの安定平衡点とひとつの不安定平衡点をもつもの)を「ゴムボック」といい、1995年にロシアの数学者によって予想され、2006年にハンガリーの科学者によって証明されました。