チェーンを緩める理由
問題
「自転車」と「自動車」の違いは、ひとつはモーターやエンジンのような「動力装置」を搭載しているかどうかです。もうひとつ、自転車は動力装置とタイヤをチェーンで繋いでいますが、自動車は棒状のシャフトで繋いでいるという違いがあります。例外的に、シャフトを採用している自転車や、チェーンを採用している自動車もわずかにありますが、ほとんどの自転車がチェーンを、ほとんどの自動車がシャフトを採用しています。
自転車では、ペダルを踏み込んだ力はチェーンを介して後輪に伝えられます。このとき、ペダルの力を効率よく伝えるにはチェーンはできる限り張り詰めた状態のほうが良いそうです。しかし、ロードレーサーの9割以上がチェーンを緩めた状態になるようセッティングしています。これはなぜでしょうか。
ヒント
- シャフトを採用した自転車は、デザインの自由度が上がることや、チェーンに衣服を巻き込む危険がないなどのメリットがあります
- 自転車のチェーンは長く使用すると最初の状態よりも緩んでしまいますが、その場合はチェーンを張る方向で調整をします
- 工場機械などでチェーンが採用されている場合、自転車ほどは緩みがありません
答え
自転車のチェーンは適度に緩んでいる方が、足への負担が少ないそうです。この緩みを自分に合わせて調整することで、より乗り心地が良くなります。
工場機械のチェーンも完全に張った状態ではなく、多少の緩みはみられます。しかし、自転車のチェーンのように人と機械とを接続する場合は、機械と機械とを接続するよりも「ゆとり」が必要なのです。