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整理と整頓と

整理整頓とは

日本では、子どもの頃から学校などで「整理整頓しましょう」というスローガンのもと、整理することや整頓することが求められます。40代の筆者が子どもの頃もそうでしたし、令和になってから撮影されたと思われる学校の映像にも「整理整頓」の掲示がみられたので、今も昔も変わらないと推量します。ところで、「整理」と「整頓」の意味するところが異なることをご存知でしょうか。辞書によると、整理は「要るものと要らないものをわけて、不要なものを捨てること」で、整頓は「(整理したものを)正しい位置や使いやすい場所に戻すこと」だそうです。

整頓はできるけれど整理はできない

ところで、整理整頓が苦手だと自覚している方は、「整頓はできるけれど整理ができない」というケースが多いのではないでしょうか。これは、冒頭に書いたような学校での体験に原因があるかもしれません。子どもは学校において、整頓する事のみ求められており、整理することは求められていません。実際、子どもに整理する権限を与えるのはなかなか勇気がいることでしょう。整理するには、それなりの経験や知識が必要です。「整理整頓」といいながらも、整頓しか練習できていないのが現状です。

整頓も難しい

一方で、整頓も一筋縄ではいきません。いちばん簡単なのは「よく使うものから近くに置く」という整頓方法ですが、これは「その場所を使うのが一人である」場合しかうまくいかない整頓方法です。他人を考慮した整頓の感覚は、学校生活や社会人生活のなかではかなり意識しなければ身につきません。多くの方は同棲したり結婚したり、寮に入ったりルームシェアしたりするなど他人との共同生活をして初めて、「整頓の難しさ」に気が付くのではないでしょうか。その場所を使う全ての人にとって、特別な知識や経験を要求することなく使いやすくすることが「正しい整頓」であると言えるでしょう。

情報も、頭の中も

整理整頓が必要なのは部屋や机の上だけのことではありません。情報過多な世の中であると言われて久しいですが、取得する情報の整理整頓や、頭の中の整理整頓も必要です。以前流行したミームに「男性の部屋は散らかっているけれど、女性の部屋は整理整頓されている。他方、女性のパソコンのデスクトップは散らかっているけれど、男性のパソコンのデスクトップは整理整頓されている」というものがあります。これは単純に男女のあるあるを取りあげたジョークだと思いますが、整理整頓という行為が興味の範囲などの影響を受けるということを示す、秀逸な例です。部屋も、頭も、スッキリと整理整頓しておくのが、現代人に求められる「整理整頓リテラシー」かもしれません。

記事タイトル整理と整頓と
掲載日2025年3月15日
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