謙遜がなくなる未来
謙遜とは
日本には古くから「謙遜」を美徳とする文化があります。謙遜とは、自分の能力や成果、現状を本来よりも控えめに表現することを指します。これは自分を低く見せることで、相手への敬意を示し、尊重する効果があります。また、慢心を戒め、自己成長を促進する効用も併せ持っています。
これまでの謙遜の背景
謙遜の思想は、古くは孔子の「論語」や仏教の考え方に由来すると言われています。国家を構成する民族の多様性が低く、地域社会の結びつきが強かった日本では、こうした「和」を重んじる謙遜の考え方が社会に深く浸透し、その継続と拡大とを支えてきたと推察されます。
現代における謙遜の課題
近年、インターネットやSNSの爆発的な普及に伴い、謙遜がうまく機能しにくい状況が生まれています。
例えば、50代の上司に対し、40代の部下が「まだまだ若造なので、厳しくご指導ください」と発言する場面を考えてみましょう。これが一対一の会話や、親しい少人数でのやり取りであれば、円滑なコミュニケーションとして機能します。しかし、SNSのような不特定多数の目に触れる場では、「40代が若造なら20代、30代はどうなるのだ」「40代は働き盛りであり上司をバカにしているように聞こえる」「40代になってもそんな立場ならば夢がない」などと、文脈や人間関係を無視した批判を生む状況が発生します。
さらなる問題
このような批判的な意見や反応を繰り返し目にすることで、人々は謙遜に対して過剰な拒否反応を示すようになります。謙遜を嫌味と受け取ったり、過度な自己卑下と捉えて自己肯定感が下がると感じられたりと、謙遜自体がネガティブな行為として扱われてしまうのです。
謙遜の未来
今後、ベースとなる価値観が異なる外国人との交流が増え、また前述のように謙遜を悪と受け取る日本人が増えていくのは避けられない傾向です。「謙遜」はかつて良好なコミュニケーションツールとして機能しましたが、その意味や効果を相手に説明しながら使わなければならないほど、現代においてメリットがあるわけではありません。このように、長きにわたり日本人らしさが詰まった歴史のある「謙遜」という文化が薄れていくのは寂しいことですが、形を変え、また別の言葉で新しい価値観として復活する可能性もあるかもしれません。
| 記事タイトル | 謙遜がなくなる未来 |
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| 掲載日 | 2025年11月8日 |
| カテゴリー | ブログ |
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