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AIは「どんどん」、私は「だんだん」

「だんだん」と「どんどん」

AIは「どんどん」だな、と感じました。先日、日本語ネイティブではない人に「だんだん」と「どんどん」の使いどころを説明する機会がありました。どちらも改まった場面や硬い文章ではあまり用いませんが、日常的にはよく使われます。自然な会話を目指すなら、知っておいて損はない表現でしょう。

文法は二の次で

自然な会話を目指している人は覚えなくても良いことですが、「だんだん」と「どんどん」の品詞は「副詞」です。副詞は「用言」を修飾するもの。用言とは、動詞や形容詞など、文中で「述語」を担います。専門知識に長けている方から「大雑把すぎる」と叱られるかもしれませんが、「文法に囚われすぎると、読むことも書くことも話すことも、ままならなくなる」というのが私のスタンスなので、どうかご容赦ください。

「Gradually」と「Rapidly」

さて、「だんだん」と「どんどん」の用法に話を戻しましょう。「だんだん」は、漢字で「段々」。一段ずつ階段を上る様子をイメージすると分かりやすいはず。言い換えると「徐々に」や「少しずつ」となり、そのような変化を言い表します。対する「どんどん」は、オノマトペ(擬態語)。音は鳴っていないけれど、もし鳴っていたら大きな音を思い浮かべると思います。そこから「勢い」が伝わります。「だんだん」の持つ穏やかなイメージとは違い、「勢いよく」「スピーディー」な変化を表現するのに使われます。

劣化する?

ところで以前、中学生に「このままAIが普及するとどうなるか」を考えてもらったことがあります。1人の生徒から「人間がどんどん馬鹿になる」という意見が出てきました。星新一の『きまぐれロボット』にも通じる教訓ですが、便利さに甘えて楽をしすぎると、人間の能力は劣化していくのではないかという推察です。「馬鹿になる」という言葉は乱暴な印象を受けますが、危惧している事柄は実に真摯なものでした。

馬鹿になってた!

冒頭の、AIは「どんどん」。その意図が、少し伝わったのではないでしょうか。AIが普及するスピードは凄まじく、ある側面においては人間を急激に劣化させている。十把一絡げにして一般論にしてはいけませんが、近頃、私自身は馬鹿になっている実感がありました。以前なら素早く言い換えたり具体例を出したりできたのに、生成AIに頼りすぎた結果「だんだん」と「どんどん」を説明する際、なかなか苦心しました。

安易なトレードオフにしない

AIができることは任せてしまう。その判断も悪くないでしょう。その分野において私が劣化したとしても、他で得るものがあれば構いません。差し当たっては、劣化した代償として何か大きな成果を得ることが今の私の課題です。

記事タイトルAIは「どんどん」、私は「だんだん」
掲載日2026年4月4日
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