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国語学習への投資が軽んじられる理由

後回しにされる国語

国語は中学校における主要科目、いわゆる「五教科」に含まれる科目です。五教科とは、国語、数学、理科、社会、英語の5つです。これらは高校入試の科目に採用されていることを発端として、重要視されているそうです。しかし、国語は五教科の中でも何かと優先順位を下げられることの多い科目ではないでしょうか。

中学生を対象にしたアンケートによると、「得意な科目」は順に英語、社会、国語、数学、理科となっています。「苦手な科目」は数学、英語、理科、社会、国語の順になっています。つまり、国語は「得意でも苦手でもない科目」という認識のようです。また、国語はテストでも(それなりに)良い点数がとれるため、苦手な科目の克服を謳う塾の対象科目は数学や英語であることが多くなります。

日本人だから

学校以外で国語を勉強しない一番の理由は、「日本人だから」ではないでしょうか。普段、生活することばとして日本語を使っている人にとっては、わざわざ勉強しなくても良い、と考えることは自然なのかもしれません。

暗記科目の側面があるから

また、「国語は暗記科目である」と考えている人も多いようです。たしかに、国語のテストで良い成績を取るためには、漢字を覚えたり、ことわざや慣用句を覚えたりしなくてはいけません。また、古文や漢文ではイチから新しい言語を学ぶのと同じくらい、暗記しなければいけないことが多いです。これをなんとかするには「頑張って覚える」しかないので、漢字ドリルやテスト対策の参考書で事足りる(それなりにできたつもりになる)場合がありそうです。

道徳教育の側面があるから

国語が道徳教育の一部を担っているように感じられることも、国語をわざわざ勉強しない理由となっているように思います。確かに、道徳寄りの題材が選ばれるケースも多いですし、作者の気持ちを問うなど不明瞭な答えを尋ねる問題の対処方法は、学習の時間を増やしたとしても簡単に身につくものではなさそうです。

自分は国語ができたから

前述のアンケートにあるように、学生時代に国語を苦手だと思っている人はそれほど多くありません。そして、そのまま成長し大人になって、自分の子どもが国語につまづいたとしても、なぜ国語が苦手なのかを想像することができないようです。同様に、その克服方法についてもわからないことのほうが多いでしょう。

影響がわかりにくいから

最後に、国語学習の影響がわかりにくいことが理由として考えられます。これは、他の教科との連関がわかりにくいことと、実生活との連関がわかりにくこととの2つの視点で考える必要があります。

国語は他のすべての教科の基礎となる科目です。国語以外の科目であっても、教科書やテスト問題が「何を伝えているのか」や「何を問うているのか」が分からなければ、学習の効果は著しく低くなります。

また、国語力が日常生活に影響を与える場面では、例えば人が喋っているのをうまく理解できなくてもわかったふりをしたり、逆に自分がうまく喋ることができなくても我慢したりなど、なんとなくやり過ごすことができてしまうのも国語が軽んじられる理由の一つになっていそうです。

国語学習から始める

真面目に勉強しているのに成績が上がらない」「同じ教科でも単元によって成績が上下する」、また「そもそも勉強に興味が持てない」などは、国語が苦手であることが原因である可能性があります。すべての教科を学ぶ基礎として、また学年が上がるごとにどんどん難しくなる学習内容への備えとして、国語学習への投資をおすすめします。

記事タイトル国語学習への投資が軽んじられる理由
掲載日2023年7月29日
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