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国語のテスト対策をしても国語力は伸びない

国語のテストの問題点

国語の定期テストで良い点数が取れることと、国語力が身についていることとは同じではありません。国語の定期テストは「試験対策技術」でそれなりの点数を取れてしまうからです。

国語の試験対策技術

国語の試験対策技術はいろいろありますが、ひとつは暗記すべき内容をしっかりと押さえることです。漢字や言葉の意味にはじまり、古文や漢文など、覚えなければどうしようもないところもありますので、暗記自体を否定するわけではありません。ただ、中学入試、高校入試、大学入試(大学入学共通テストを除く)問わず、入学難易度が高い学校ほど暗記だけでは解けない問題にしているのは確かです。

もうひとつの試験対策技術は「パターンを身につける」ことです。特に文章読解などで、「このタイプの出題ではこのあたりに答えが登場する確率が高い」とか「選択式の問題では文章の内容を逆にして考えて正解をあぶり出す」などです。この手法は国語教育の本質を見失っていますし、入試などの試験本番でもうまくいくことがほとんどありません。

教えるのが難しい国語

暗記だけでもダメで、パターンを身に着けてもダメなのにもかかわらず、多くの進学塾や参考書でこのような手法を教えるのはなぜでしょうか。これは、本質的な国語力を教えて身に付けさせるのが非常に難しいからです。もしくは、目前のテストで点数さえ取らせれば良い、と考えているからかもしれません。

小学生向けの問題と高校生向けの問題との違い

国語の教材をいろいろみていると、面白いことに気が付きます。中学入試に使われるような小学生向けの国語のテストと、大学入試に使われるような高校生向けの国語のテストを比較してみると、出題者が問うていることがほとんど同じなのです。もちろん、使用される漢字や取り上げられる内容の難易度に違いがありますが、出題意図はほとんど一緒です。これは他の科目にはみられない傾向です。

早いうちに「本当の国語力」を

これを証明するかのように、小学生のときに国語が苦手だと感じた子どもは高校生になっても国語が苦手であることが多く、逆に小学生の時に国語が得意であった子どもは高校生になっても苦手意識を持たずにいます。教えたり身につけるのが難しい国語だからこそ、暗記内容が少なく、頭の柔軟な小学生や中学生のうちに、本当の国語力を身につけることが大切です。

記事タイトル国語のテスト対策をしても国語力は伸びない
掲載日2023年12月16日
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