「内輪ネタ」は楽しいけれど
年末年始は「お笑い」コンテンツが多い
毎年、年末から年始にかけて、テレビなどでは「お笑い番組」がたくさん放送されます。家族が集まる時期には、みんなで笑って過ごしましょう、ということでしょう。しかし、昨今のお笑いはどんどん洗練されており、理解するのにある程度の「お笑いの知識」が必要になっています。つまり、お笑いがいろいろな面で「内輪ネタ」になってしまっているのです。
メタ情報やミームの多用
メタ情報とは、ある情報を説明したり整理したりするための高次の情報のことです。広義には、本来テーマにしていることや表現していることを俯瞰的にみて、それを笑いにしたり皮肉を言ったりすることを指します。たとえば、漫画のストーリーの中で、漫画家の個人的な情報が登場したり、漫才やコントの中で急に役から降りてお笑い芸人としての自分たちのことを話したりすることです。ミームとは、本来は生物学用語ですが、現在はインターネット上で人気を集めたちょっとしたコンテンツや、そのコンテンツが拡散される様子を指します。2024年には、猫を中心とした「猫ミーム」が話題を呼びました。これらのメタ情報やミームは、興味があったり知っていたりしなければその面白さが理解できないため、多用しすぎると「内輪ネタ」になってしまいます。
エスプリ
また、「エスプリ」という言葉もあります。エスプリとは、Wikipediaでは「批評精神に富んだ軽妙洒脱で辛辣な言葉を当意即妙に述べる才のこと」と説明していました。エスプリの効いたジョークは、言う方もさることながら、それを聞く方にも相当の知識が必要です。エスプリは深い知識や教養に基づいていることが多いため、どちらかというと「わからないほうが悪い」くらいの用いられ方をされているように思います。これも「内輪ネタ」を表す言葉のひとつでしょう。
内輪ネタは楽しいけれど
メタやミーム、エスプリのような内輪ネタのコンテンツは、共通の知識や価値観を持つ人同士で楽しむと、非常に面白い会話が生まれ、楽しい時間を過ごせます。しかし、これらは前提や知識を必要とするため、不特定多数に向けて発信するような場では、共感を得られない可能性が高いのです。
プライベートかパブリックか
自分がひとりで楽しむコンテンツが内輪ネタであるのは問題ありません。また、趣味や価値観の合う友人を見つけて、その中で盛り上がるのも良いでしょう。ただし、わずかでも外を意識した情報発信をしたい場合、あるいはその情報を受け取る可能性のある人が限定できない場合は、内輪ネタの度合いを意識してコントロールしなければいけません。SNSが発達し、情報の取捨選択や情報発信が容易になった今こそ、身につけるべきマナーではないかと思います。
記事タイトル | 「内輪ネタ」は楽しいけれど |
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掲載日 | 2025年1月4日 |
カテゴリー | ブログ |
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