先輩の言葉、後輩の言葉
仕事人生の半分に至る
現在、年金は原則65歳から受け取ることができますが、場合によっては75歳から受け取ることを選択している人もいるようです。40代である自分が年金を受け取る頃には、75歳が受給開始年齢になるのでは、と危惧していたりもします。一方で、大学進学率が高くなっていることからわかるように、大学を卒業した22歳〜24歳になるタイミングで働き始める人が増えています。つまり、22歳から75歳までのおおよそ50年間くらいは仕事をしている、ということになります。このように計算してみると、自分がその道のりのちょうど中間辺りにいることがわかりました。
中間のポジション
これは仕事をしていても実感することがあります。自分がこれまで携わってきた分野ではベテランといわれますし、同年代の友人たちが会社や組織の中心になって仕事をしている様子を見るようになりました。20代、30代の社会人を見ても「まだまだ若いなあ」と思うこともありますし、一方で50代、60代の社会人を見て「あの領域に至っているのは流石だな」と思うこともあります。まさにちょうど中間に位置しているのです。
中間だからと言って、今から、これまでと同じ時間仕事ができるかというとそうでもなさそうです。20代の社会人が経験不足から思ったように仕事ができないことや、60代を過ぎると判断力や体力が衰えて仕事ができなくなることを鑑みると、自分に残された「仕事ができる時間」があと10年ちょっとしか無いことに気が付きます。
先輩の言葉
中間のポジションになると、自分のことを怒ってくれたり指導してくれたりする人はほとんどいなくなってしまいます。しかし、仕事について大きな判断をするときや、日々の細かい作業の基準として、先輩たちから教えられた言葉に頼っている部分はたくさんあります。もうこれ以上は増えることのない数々の金言を心に留めながら、自分が責任を持って仕事をしていくしかありません。同時に、自分がまだ20代、30代だった頃に、頑固で柔軟性に欠けたようにみえた40代以上の先輩たちに対して覚えた違和感を思い出し、そうはならないようにしなければいけません。
後輩の言葉
先輩として振る舞ってくれる人が少なくなる一方で、後輩たちはどんどん増えていきます。後輩を指導したり教育したりすることもありますが、刺激をもらったり新しい考え方を学んだりすることも多く、これから先の仕事人生を行きていくには後輩たちの言葉のほうが重要になっていく気がしています。自分たちの世代が折り返しに到達したことを意識しながら、これから活躍していくであろう後輩たちの考え方や行動に良い意味で日和見的に寄り添っていくことができるのも、年齢を重ねたからこそできることではないかと考えます。
どの言葉を伝えて、どの言葉を伝えないのか
ここで難しいのは、自分が先輩から学んだどの言葉を後輩に繋いで、どの言葉を繋がないのか、ということです。自分達が大変だったからといって、それを後輩たちに強いるのは間違っている気もしますし、逆に大変だとわかっていても伝えていかなければいけないこともあります。昨今、AIの発達が目覚ましく、AIに任せられることと自分たちがやらなければいけないこととの選り分けにも頭を悩ませます。
自分の中で設けているのは、次にあげる3つの基準です。ひとつめは「普遍性」です。時代が変わっても価値が維持されているかどうか、ということです。ふたつめは「汎用性」です。現在の仕事がいつまで続くかわかりませんので、仕事が変わっても役に立つかどうか、ということです。みっつめは「自主性」です。いずれ、自分の責任において、自分で仕事ができるようになるのに必要かどうか、です。3つとも同じようなことを指している気もしますが、その重なり合っているところこそ「後輩に伝えるべき言葉」ではないかと思っています。
記事タイトル | 先輩の言葉、後輩の言葉 |
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掲載日 | 2024年5月18日 |
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