自己紹介で何を話すべきか
自己紹介で
大学生に自己紹介をしてもらうと、所属している大学や勉強している学問のこと、また趣味やアルバイトの話が話題の中心になります。一方、社会人に自己紹介をしてもらうと、会社の話、取り組んでいる仕事の話、家族の話といったところがテーマになります。「社会人」とひとくくりにしましたが、これは年齢によって違いがみられます。20代では趣味の話や学生時代の話をする方もいますし、30代では仕事の話や子どもの話をする方が増えます。ライフステージの変化に伴い、自分を紹介する内容も変化していくのです。これが、40代になると少し様子が変わってきます。自分のポジションや実績、関わっているすごいプロジェクトやすごい会社、すごい人などの話など、いわゆる「権威」を盛り込むようになり、少しだけ嫌な感じのする自己紹介をする方が増えてくるのです。
自己喪失感との戦い
会社人、仕事人として生きてきた人が、退職した後に自己喪失感に苛まれる、という話はよく耳にします。人生をかけて積み上げてきたものが、ほとんど通用しない世界に取り込まれてしまうので、何をもって自己を確立すればよいのかがわからなくなってしまうのでしょう。これを回避するためには、2つの方法があります。ひとつは、これまでの実績が通用する世界に留まり続けることです。自分のことをすごいと思ってくれる人や場所を見つけて、できるかぎり長くそこにいられるよう務めるのです。もうひとつは、別の自己を確立することです。これまでと全く違う世界で、全く違う自分を作り上げていきます。これは退職してからでは遅いこともあるので、できれば先に挙げた40代になったときに、これまで獲得した実績や権威を脱ぎ捨て、あるいは隠して、変化に適応できる力を身に着けなければいけません。
自己紹介で何を話すべきか
こう考えると、年齢が高くなるにつれて、自己紹介ではなるべく権威に頼らない話ができるようにしたほうがよさそうです。おそらく、多くの人は権威を振りかざしてくるでしょうし、権威を表さない自分を軽んじたりするかもしれません。しかし、そんな人達とは継続的なお付き合いをする必要はないですし、遅かれ早かれ、彼らもそれに気がつくか、気が付かないまましんどい老後を迎えることは想像できますので、慌てる必要はないのです。
権威を振りかざさない人間関係
権威によるマウントの取り合いは、いたるところに溢れています。異業種交流会や起業家の集まりのような、ギラギラしたコミュニティは言わずもがなですが、それとは縁遠くあって欲しい教育機関や福祉の世界、社会的に有意義な活動をする場面でも、権威によって人間関係をコントロールしようとする雰囲気は満ちています。自己紹介で、実績や権威以外に何を話すのか、何が話せるのかを、一度考えてみませんか。
記事タイトル | 自己紹介で何を話すべきか |
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掲載日 | 2024年6月15日 |
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