分からなくてもいいのだ
「知る」のは楽しい
好奇心とは、未知のことを探求しようとする心、そして謎や不思議を解明したいという気持ちを指す言葉です。最近、知り合いから「ひとつ何かを知ると、分からないことがいくつか増えるのがしんどい」つまり、新しいことを学ぶのが怖いという意見を聞いて、軽くショックを受けました。私自身は、探求や調査、研究をするほど好奇心旺盛ではありませんが、新しく何かを知ること自体は間違いなく「楽しい!」と思っていたからです。
「分からない」のは、たしかに怖い
ところが考えてみると、「分からない」という状況は、見えないことや暗闇にいることと同じなので、それが増えるのが「怖い」というのはいたって自然であり、動物が生き延びるためには必要な反応です。しかし同時に、人間は火を手に入れて、闇=「分からない」ことに光を当てて、それが何かを明らかにしてきた動物でもあります。好奇心と人間らしさは密接な関係にありそうです。
好奇心の効能
好奇心が旺盛であると、そうでない場合と比べて、必然的に得られる情報が多くなります。それだけでなく、年齢を重ねても好奇心を抱き続けられることが、メンタルヘルスの維持にも大きく影響しているようです。好奇心を維持することが認知症の予防につながるという研究結果もありました。
「分からない」状態がデフォルト
たしかに新しく何かを知ると、それに付随して新たな疑問が湧いてきます。それなのに、なぜ自分は「分からないが増えて怖い」とならないのか、少し考えてみました。たぶん私の場合、ハナから「世界は、私の分からないことだらけ」という立ち位置で生きているのだと思います。そのため、「分からないことが増えた」のではなく、もともとあった「分からない」を改めて認識できた、と捉えているようです。
不思議を受け入れる力
何度もリメイクされてきたアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」でも描かれているように、日本には何だかよく分からないものを、「妖怪(あやしくて分からないもの)」として、そのまま受け入れる文化があります。慣用句の「虫の居所が悪い」や、これまたアニメ化された漫画「蟲師」なども、不思議なものの存在を認めた上に成り立っています。
しなやかな強さ
妖怪はさておき、分からないコトやモノの存在を無視したり忌避したりせず、そのまま分からないものとして、いったん受容してしまう能力は、好奇心と相性が良いのかも知れません。「分からない」や「なんでやねん」から探究心が生まれやすいからです。「分からない」がある状況は、どうしてもモヤモヤしてしまいますが、裏を返すと「分からない/知らない」ことがあるから人生は楽しいのではないでしょうか。もし世界のすべてが分かってしまったら、ちっとも面白くないような気がするので、自分の無知を受け入れて好奇心に変えていきたいと思った真夏日です。
記事タイトル | 分からなくてもいいのだ |
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掲載日 | 2024年8月3日 |
カテゴリー | ブログ |
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