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子どもが就きたい職業、親が就かせたい職業

子どもが就きたい職業

2024年に株式会社クラレが発表したアンケート結果によると、小学校がっこうへの入学を控える子どもが将来就きたい職業ベスト10は、男子では1位から順に「スポーツ選手」「警察官」「消防隊員/レスキュー隊員」「運転士/運転手」「TVやアニメのキャラクター」「YouTuber」「ケーキ屋さん/パン屋さん」「医師」「ゲームクリエーター」でした。女子では「ケーキ屋さん/パン屋さん」「芸能人/歌手/モデル」「保育士」「花屋さん」「アイスクリーム屋さん」「医師」「警察官」「看護師」「教員」「美容師」でした。

親が就かせたい職業

同じアンケートの中で、親が就かせたい職業は男子の親では「公務員」「会社員」「スポーツ選手」「医師」「エンジニア」「研究者」「警察官」「消防隊員/レスキュー隊員」「医療関係者」「建築家」「薬剤師」、女子の親では「看護師」「公務員」「会社員」「医療関係」「医師」「薬剤師」「ケーキ屋さん/パン屋さん」「専門職」「教員」「保育士」でした。

就きたい職業と就かせたい職業の共通点

この手のデータを見ると、子どもは「自分が見たことのある仕事しごと/楽しそうだと思う仕事しごと」を選んでいることに気が付きます。これは当然のことで、それ以外に仕事しごとがあることを知らないからです。また、仕事しごとという概念が理解りかいできていなかったり、表からはみえないサポート的な仕事しごとが存在することを知らなかったりするからでもあります。一方で、親は子どもよりも知識も経験もあるはずなので、多様なたような職業を挙げているかと想像そうぞうするのですが、男子では「スポーツ選手」「医師」「警察官」「消防隊員/レスキュー隊員」の4つが、女子では「看護師」「医師」「ケーキ屋さん/パン屋さん」「教員」「保育士」の5つが、就きたい職業と就かせたい職業で共通しています。

なぜ共通点が多いのか

共通点が多い理由はいくつか考えられます。ひとつは、共通する仕事しごとが親子の普段の会話かいわの中で登場する仕事しごとなので、親は子に、子は親に、お互いにおもねって回答してしまっている可能性があることです。もうひとつは、アンケートの回答方法が自由回答ではなく、選択式になっている可能性です。アンケートの効率を考えるかんがえると仕方がないかもしれません。

さらに、これが一番避けたいことではあるのですが、親の仕事しごとに対する知識や経験が、子どもと大して変わらない可能性が考えられます。確かに、働くようになってから自分の仕事しごと以外の仕事しごとについて、学んだり話を聞いたりする機会きかいはそれほど多くありません。転職しようとすれば話は違ってくるのですが、日本にほんは転職率がそれほど高くない(転職経験者は60%程度)ので、推して知るべし、というところでしょうか。

子どもに幸せな人生を送らせたいなら

仕事しごとが人生の全てではありませんが、大人になると多くの時間じかん仕事しごとに充てることになるのは必然ですし、仕事しごとを通して「社会にとって役に立つこと」の価値や意義が変化することはないはずなので、「自分にぴったりと合う仕事しごとや働き方」をみつけるのはとても大切たいせつなことです。子どもに幸せな人生を送らせたいのであれば、盲目的に「医者になれ」「公務員になれ」というのではなく、自分も学び、想像そうぞうしながら、いろいろな仕事しごとや働き方について、親子でじっくりと話をしてみるのも悪くはないのではないでしょうか。

記事タイトル子どもが就きたい職業、親が就かせたい職業
掲載日2024年9月7日
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