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自分の「おいしい」を探求してみた

「おいしい研究所ワークショップ」

2024年11月6日、カルチャーセンター「エントランス」にて開催された「おいしい研究所ワークショップ」を受講してきました。講座の「自分にとってのおいしいの価値観を見つける」というテーマは、身近だったり常識だったりして「当たり前になっているモノやコトについて、あえて立ち止まって考えてみる」という当サイトのコンセプトと重なる部分を感じて、受講前から強く惹かれていました。講師の土井さんは一人ひとりの「おいしい」に正解はない!というスタンスで、値段の高さと自分の感じる「おいしさ」は比例するのかしないのかや、商品の背景にあるストーリーによって感じる味は変わるのかなど、貴重で興味深い体験をいくつも用意して下さいました。とにかく楽しかったです!

五感やイメージを表現してみる

「おいしい研究所ワークショップ」での面白さの1つとして、個人的には「おいしい」について「おいしい」という言葉を使わずに表現する試みを挙げたいです。講師の土井さんからの、文章に限らず「絵やメロディーでも表現してみてください」という提案は、自分の中にあるもの(感覚やイメージ)を表現する試みとして自由度が高く、年齢を問わずに楽しめる素晴らしい提案です。具体的には、名前を伏せられた「ある飲み物」について、見た目や香り、味から感じたことを表現してみるという時間がありました。一言で「リラックス!」と言い得て妙な表現をする方や、「エリック・サティの『ジムノペディ』を連想しました」という感受性の豊かな方もおられて、他の人の感じ方やその表し方まで味わうことができたのは、とても興味深い経験でした。ちなみに「ある飲み物」は、レモングラスなどをブレンドしたハーブティーだったので、先述のお二人の感想と表現は、ものすごく的を射ていたのです!

「ことば」の他にも、たくさんの言語が

当サイトでは「言語化してみる」ことをいつも推奨していて、それは主に「ことば」を使っての言語化を指しています。「おいしい研究所ワークショップ」における「絵やメロディーでの表現」は、使っているのは「ことば」ではなくても、「絵」や「音楽」というそれぞれ言語を用いているので、こちらも「言語化してみる」試みと言ってよさようです。ちなみに講師の土井さんが、ある食べ物を咀嚼して飲み込むまでの過程を、クラフト紙を折り曲げたり、くしゃくしゃに丸めたりして表現されていたのも実に面白かったのですが、こちらは共通認識がむずかしい表現だったので、まだ「言語」とは呼べなさそうです。けれども、自分の感覚をクラフト紙を使って「具現化し、可視化して他者と共有してみる」って、本当に素晴らしいアイデア&試みだと感じました。

言語は共有するためにある

「言語化する(ことが大切)」と言うと、難しく堅苦しく受け取られることが多く、推奨したい私としても「どうしたものか」と腕組みして頭を捻っている日々です。むつかしいことをやわらかく伝える、ということも自分にとってのテーマの1つなので、今回の「おいしい研究所ワークショップ」を受講した経験は、いくつもの気づきを得られる有意義なものでした。しかも、楽しかった!そこで「言語化する」の堅苦しさを解きほぐす視点の一つとして最後に提示したいのは、「言語化する」ことはあくまで手段であって目的ではないということ。「言語化」の最大の目的は、「他者との共有」にあるということです。ということも、もっとやわらかくしていきたいですね。

記事タイトル自分の「おいしい」を探求してみた
掲載日2024年11月9日
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