伝え方は何割?
マルハラのお話
「マルハラ(マルハラスメント)」が、2024年の序盤で話題になりました。「マル」は、句読点の句点「。」を指しています。SNSなどで中高年から送られてくるメッセージが「。」で締められていると、若い世代にとっては威圧的に感じられるため、ある種のハラスメントであるというお話です。「承知しました。」「連絡をください。」というメッセージが来ると、送り手が怒っているのでは?と勘ぐってしまうのだそうです。
丸いのに?
「マルハラ」について初めて知ったとき、私は視覚から得るイメージとして「丸(マル)」が怖がられるなんて!と驚きました。ドラえもんやアンパンマンが子どもに人気がある(あそこまで子どもに好かれる)のは、ビジュアルが丸い形状の集合体であることも大きな理由だと信じて生きてきた人間には、マルに怯える人が沢山いるなんて驚愕の事実です。そこで、句点の「。」が苦手な人の理由をもう少し確認してみると、「テンションが分かりにくい」というのも戸惑う理由として挙げられていました。たしかに事務的なメッセージだと、人の喜怒哀楽は分かりにくい気もします。
ハラスメント・ハラスメントにも要注意
事務的なメッセージでも、相手が不快にならないように「。」を避けてもいいのかも知れません。けれども、気を遣って文末に「!」や絵文字を多用すると、今度は「おじさん/おばさん構文」なんて言われることもある訳です。もはや、どちらがハラスメントなのか分からなくなってきました。
大袈裟に取り上げられがち
文末が「。」で終わっているメッセージについて、「丁寧さ」「威圧感」「距離感」「怒っている」「あまり気にしたことはない」の5つの選択肢を用意し、世代別にどれを感じるかというアンケートが実施されていました。20代〜60代のどの世代においても、圧倒的多数だったのは「あまり気にしたことはない」でした。たしかに「あまり気にしたことはない」という回答は、中高年と比べると若い世代の方が少なくはなっていたのですが、それでも20代30代の半数以上が「あまり気にしたことがない」を選んでおり、また、どの世代においても「威圧感」を覚える人より「丁寧さ」を感じる人の方が多い結果が出ていました。
少数派の意見でも参考に
句読点は、文や文章を読みやすくするための記号ですし、今使われてる「、」や「。」が定着したのはせいぜい明治時代以降です。「読みやすく」つまり、読み手を意識するというコンセプトは、どれほど時代が変わっても、今後も変わらないだろうと思います。発信する媒体や、届けたいターゲットによって、「。」をつけた方が良い場合もあれば、つけない方が伝わりやすい場合もあるはずです。発信する側としての心得は、まずは選択肢を持って、つぎに選択を誤らないことなのですが、個人的には「、」や「。」の方が、作業コストが少なくて済むんだけどなぁ、という本音をチラつかせて筆を置きます。
記事タイトル | 伝え方は何割? |
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掲載日 | 2024年11月23日 |
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