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「万能薬」ではなく「毒消し」を手に入れよう

考えることの限界

「考えるネコ、想像するイヌ」では、考えることや想像することを推奨しています。しかし、過ぎたるは及ばざるが如し、というように、考えすぎることや想像しすぎることには注意が必要です。問題解決をしようとして、必死で考えるのは素晴らしいことです。しかし、頭で考えることにはいくつかの限界があります。自分が持っている知識や経験の限界、現在の状況でできることの限界、時間の限界などです。これらの限界に達してしまったら(あるいは達してしまいそうになったら)、一旦考えるのをやめて、手を動かすしかないのです。

万能薬

長時間考えていると、頭の中で何周も同じところを巡っているような感覚になったことはないでしょうか。我々が現代社会で直面する問題は非常に複雑なため、原因や結果の関係が明らかではなかったり、複数の要素が絡み合って何から手を付ければよいのかがわからなくなってしまうこともしばしばあります。そこで気をつけなければいけないのが「万能薬」の存在です。万能薬とは、「どんな病気や怪我にも効く魔法の薬」です。昨今、教育の現場でも、ビジネスの現場でも、あらゆる問題解決に効く「万能薬」が存在しているかのような情報が飛び交い、話題になることがあります。

万能薬が必要か

ここ数年でバズワードとなった「万能薬」をいくつか挙げてみましょう。「AI」「Web 3.0」「メタバース」「SDGs」「ビッグワード」「アート思考」などなど、枚挙に暇がありません。いずれも有用なものであり、正しい理解のもと正しく使うことさえできれば強力な武器になるのは間違いありません。しかし、考えすぎた結果、混乱に陥り、未熟な理解や方法でこれらの万能薬に手を出してしまうのはおすすめできません。なぜなら、それ以外のもっとシンプルで簡単な方法を見落としている可能性があるからです。

ゲームに登場する万能薬

タイトルに含まれている「万能薬」や「毒消し」は、ゲームにも登場する回復薬です。ゲームの中で、「万能薬」はどんな状態異常も治してしまいますが、「毒消し」は毒状態から回復することしかできません。状態異常の詳細を把握することなく使用できるので、「万能薬」に頼りたくなる気持ちは理解できるのですが、特に序盤では症状に応じて専用の回復薬を使ったほうがコスパが良くなるように設定されてます。盲目的に万能薬を使う前に、できることはないかを考えるべきなのです。

万能薬以外を探す

現実には、万能薬に相当するものは物としても比喩としても存在しないのですが、前述のように「万能薬にみえるもの」が次から次へと登場してきます。一番良くないのは、まだ十分に考えてもいない段階で目についた「万能薬」に手を出そうとすることです。問題の本質がわかっていない状態なので、うまくいくことはほとんど無いですし、うまくいったとしてもどれがどのように効いているかがわからず、コスパの悪い万能薬を使い続けなければいけないことになってしまいます。問題解決に取り組むならば、まずは身近なところから、一般的な解決方法を試していきましょう。複雑な問題に取り組むときこそ、問題の本質を見抜き、怪しい「万能薬」ではなく手に馴染んだ「毒消し」で対処するよう心がけたいです。

記事タイトル「万能薬」ではなく「毒消し」を手に入れよう
掲載日2024年12月14日
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