「良い本」の正体

本を読むこと
本を読むことは「考える」や「想像する」に必要な行動のひとつです。本を読んだ人が必ず考えられるようになったり、想像できるようになったりする、と言い切るのは難しいですが、考えられる人や想像できる人は必ず本を読んでいます。このようにまわりくどく考えなくても「本を読めば、なにか良いことがありそう」なのは、多くの人が共有している価値観なのではないでしょうか。
どの本を読めばよいのか
とにかく本を読めば良いのだ、と思っても「どんな本を読めばよいのかわからない」という方も多いでしょう。物語や小説、随筆のような文学的文章であれば、自分が好きなジャンルや流行っているものの中から選んで、好きなものを読めばよいと思います。一方で、技術書や参考書、自己啓発の本のように、なにか新しい行動や反応をすることを求められる内容の本については、しっかりと選ばなければいけません。
紹介された本のリスク
本を選ぶ際には、Amazonのレビューを参考にしたり、友達や先輩から情報を集めたりします。このとき、気をつけなければいけないのは、その本を手にしたときの状況や前提が人によって異なる、ということです。先輩の頃には誰もが使っていたけれど今では陳腐化していたり、友達は理解できたけれども自分には難しすぎる内容だったりと、自分の状況や前提に合う「適切な本」に出会うのは簡単ではありません。本を紹介する側はそこまで考えずに紹介したりレビューしたりしている事が多いので、読み始める前に自分の目で確認するステップは必要です。
良い本に見える本のリスク
次に気をつけなければいけないのは「良い本に見える本」です。本を手に取って読み進めていくうちに、「ああ、これは良い本だ」と思うことがあると思います。この「良い本だ」という感想に至った原因を客観的な視点で分析しましょう。「新たな学びや気付きがあった」「知らない技術をたくさん身につけられた」のであれば、良い本を正しく選べています。一方で「自分の知っていることがたくさん書いてあった」とか「作者が自分と同じ考えだった」場合、その本はあなたにとって「良い本に見える本」です。自分の知識や考え方と同じことが書いてある本は、読んでいて心地が良く、読後は「ああ、良い本だった」という間違った感想を抱くことがあります。しかし、自分と同じ考えや自分が知っている情報が掲載されている本なのであれば、それは読む必要がなかった可能性さえあるのです。
良い本を見抜く方法
ここまで、人に紹介された本のリスク、読んでいて心地の良い本のリスクについて説明しました。では、これらを避けて、読むべき「良い本」を選ぶにはどうすればよいでしょうか。ひとつは、本を紹介してくれる人がどんな人なのかをきちんと理解したうえで、その紹介を受け入れるかどうかを判断しましょう。世代の離れている方、要領の良い方、自己顕示欲の高い方が紹介する本は要注意です。もうひとつは、書いてある内容について、3分の1くらいは知らない内容である本、あるいは自分とは違う視点や考え方をもった本を選びましょう。すべて知らない内容だと、途中で読むのが嫌になってしまう可能性がありますので、これは避けたほうが良いでしょう。良い本と出会うことができれば、考えたり想像したりするのがもっと楽しくなるはずです。
記事タイトル | 「良い本」の正体 |
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掲載日 | 2025年4月12日 |
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