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好きなものが良いものである

知っているものが良いものである

人は、自分の知っているものを良いものだと評価する傾向があります。芸能人が顔を売るためにドサ回りをしたり、新しい会社やサービスがメディアを使って大々的に宣伝をするのは、知ってもらうことで好きになってもらうことを狙っているからなのです。私達はその広告戦略にまんまとハマってしまっているのですが、人間が判断をしている限り仕方がないことかもしれません。

好きなものが良いものである

さらに、自分が好きなものは良いものであると評価する傾向もあります。評価の基準をそれに合わせようとしているといっても良いかもしれません。自分が好きなものが社会的な問題として糾弾されている(昔であればテレビやゲーム、漫画やアニメなど)ときに、説得力の弱いふわふわした反論しか出てこない場合、この罠に嵌まっている可能性があります。「自分は好きなので」では説得力がないので、他人が納得できる理由を考えたいのですが、そもそも自分が好きなものが問題になっている状況が腹落ちしていないため、本質的ではない回避策しか思いつかないのです。

自分が含まれているものが良いものである

また、自分が含まれているコミュニティが良いものであるとする傾向もあります。自分がいる場所を維持するために、またより快適にするために、人はあらゆる手段を使います。コミュニティの大小を問わず、他のコミュニティと生じる軋轢の大半はこれに由来するといってもよいのではないでしょか。逆に、自分の属しているコミュニティや状況に満足していない場合は、自分が所属しているコミュニティのあらゆることが嫌いになってしまうこともあります。

世の中を悪くしている?

これらの判断基準は、論理的には正しいものではありません。芸能人は人柄が良く一芸に秀でた人が評価されるべきですし、会社やサービスも他と比較して最適なものが選ばれるべきですし、自分が好きなものであっても変更したり無くしたりしなければいけないものがあるかもしれません。つまり、論理的に正しいものを評価しないこれらの考え方は、世の中を悪くしている可能性があるのです。とはいえ、はじめの段落でも書いたように、人間が判断をしている限りは仕方がないですし、これを完全に排除することは簡単ではないでしょう。

知らないものやコミュニティの壁をなくしていこう

宇宙をテーマにしたSF映画などでは、「宇宙からの侵略者に対抗するため、地球政府が設立された。その結果、国家間の戦争や紛争がなくなった」という設定が登場することがありますが、あながち間違いではないかもしれません。自分が知らないもの、自分の属していないものはどうしても敬遠したり、批判したりしたくなってしまうものです。知らないものを減らして博学になること、コミュニティの壁をなくして自分が属するコミュニティの範囲を広くしていくことが、いろいろな問題を解決する一番のきっかけになりそうです。

記事タイトル好きなものが良いものである
掲載日2025年4月26日
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