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みんなで「宗教」をつくる?

宗教に関する本をたくさん読みました

とあるきっかけで、宗教に関する本をたくさん読みました。ひとつの宗教について掘り下げるというよりは、いろいろな宗教について総花的な扱いができるように、ざっくりとした知識を頭にいれるつもりだったにもかかわらず、どの本も非常に興味深く読むことができました。「宗教」という文化が何百年も何千年も続いているだけのことはあると、感心しきりでした。

宗教が何故生まれたのか

宗教は、いくつかの需要に答える形で生まれたと考えられています。1つ目は「死者を弔う手段として」です。これは、お葬式が宗教に深く触れる数少ない機会となっている多くの日本人にとって、納得感のあるものではないでしょうか。2つ目が「自然を畏敬する手段として」です。自然は、我々人間を圧倒する力を持っています。これに対抗する絶対的な術はなく、ただただ祈るしかない、という場面は現代でも数多くみられます。3つ目は「暴力のコントロール」です。人間に本質的に備わっている暴力性を、いろいろな形でコントロールしてくれるものが宗教なのです。4つ目は「コミュニティの縁(よすが)として」です。多くの国や民族は、宗教を理由に団結したり争ったりしています。

宗教の経典

ところで、多くの宗教には神の声を聞くことができる「教祖」が存在します。教祖の言葉や、弟子の言葉などをまとめたものが「経典」となり、宗教の伝播や信仰者の増加に多大な影響を与えてきました。歴代の宗教家が、自分の生きた地域や時代の「生き延びるための知識」や「より良く生きるための知恵」をしたため続けたことで、現代の経典が出来上がっています。多くの人の努力と歴史とによって紡がれてきた経典ではありますが、頑なに古典を守ろうとする宗教もあれば、途中で改変している宗教もあります。宗教に関する本をたくさん読むうちに、今ならもっと良い経典の作り方があるのでは?と思いました。

Wikiで経典を作る

インターネットでの情報元といえば「Wikipedia」が有名です。だれでも簡単に情報を作成したり、編集したりすることができるソフトウェアが「Wiki」であり、それを利用したオンライン百科事典が「Wikipedia」なのですが、このWikiの仕組みを使うと、経典がもっと開かれた、納得感のあるものになるのではないか、と思ったのです。もっとも、実際のWikiでも問題になっている「編集合戦」がネックになることや、情報リソースの曖昧さや記述者の責任などが問題になることは簡単に予想できますし、朝令暮改の経典の説得力のなさもいかがなものかと思いますが、既存の経典に違和感を覚えながら、仕方なく信仰するよりは良いこともありそうです。

宗教をつくる

経典だけでなく、仕組みなどを含め宗教全体をWikiでつくることも可能かもしれません。宗教の発生理由を紐解くと、この先宗教がなくなってしまうことはなさそうです。一方で、お寺の跡継ぎがいないとか、檀家や寄付金が減っているなど、各宗教がこれまでのような感じでは立ち行かなくなっている状況でもあります。いずれ、Wikiで作られた、より実践的で柔軟な宗教が求められるかもしれませんね。

記事タイトルみんなで「宗教」をつくる?
掲載日2025年5月24日
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