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KOCに感謝!

無冠の帝王からの脱却

先日、お笑いの賞レース「キングオブコント2025」で、お笑いコンビ「ロングコートダディ」がとうとう優勝しました。漫才でもコントでも、賞レースでは高成績を出し続けているコンビなので、応援していた人もそれほど贔屓ではない人も、お笑いファンならば溜飲が下がる結果だったのではないでしょうか。実績があるというだけでなく、コンテスト当日のネタは 2本とも心底面白かったので、私も大笑いしながら視聴しました。

自信とプライドの功罪

コントの1本目は「否定から会話に入る」ことを、さらに 2本目では「言語化して」が口癖の意識高い系キャリアウーマンを皮肉ったネタだったので、腹から笑いつつも「気ぃつけなアカンな」と我がことのように反省しました。私自身は残念ながら、自信満々で社会的成功を収めている人間ではないのですが、何しろ「言語化」を口酸っぱく繰り返しているので、世間さまからは、コントで揶揄されている女性のように見えているのかも知れません。また論理的思考に加えて「クリティカルシンキング(批判的思考)」も推奨しているので、ともすれば口を開けば「否定から話に入ってくる」印象を持たれている可能性も見えてきました。キャア、どうしましょう。

批判≠否定

私がきちんと実践できているかどうかはさておき、「クリティカルシンキング」について誤解があってはいけないので念のため触れておくと、「批判」と「否定」は似て非なるものです。つまり「否定から会話に入る」ことと「クリティカルシンキング」は一致しません。「あの人、いつも否定から入るよね」と思われてしまっている人が、「自分はクリティカルシンキングをしているだけだ!」と反論しても、それは本質を履き違えていると言っても過言ではありません。

イヤー・オブ・ザ・ドラゴン

さらに身につまされたのは、「言語化」モンスターの女性が辰年生まれについて語っていたせいもあります。実際に辰年生まれが自信を失いやすい性質なのかは信憑性が乏しいですが、十二支の中で唯一架空の動物であることは間違いなく、辰年生まれの私も子どもの頃から「辰って何やねん」という不安要素を抱えて生きてきました(それほどでもありませんが)。いっそドラゴン(龍)なら格好いいと思えるのですが、日めくりカレンダーではタツノオトシゴが描かれていたりして「辰って何やねん」というモヤモヤがあったのは事実です。

自戒をこめて

コントを見た当日は「いやー面白かった!」と、ただただ愉快だったのですが、翌日になってふと、1本目も2本目も「自信のなさ」という裏テーマが通底していたことに気づき、「チャンピオン、すげー!」と改めて感銘を受けました。そんなこんなで、たかがコント(お笑い)されどコント(お笑い)。大切なことだからと鼻息荒く「言語化」「批判的思考」と繰り返してきましたが、そんな自分を客観視できる良い機会をいただけました。アイロニーが自分に向かってきた時こそ、人間は成長できるチャンスなのかも知れません(笑)。

記事タイトルKOCに感謝!
掲載日2025年10月18日
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