がん細胞を増やす

問題
日本人の死因として一番多いものが「がん」です。日本では男性の2人に1人、女性の3人に1人ががんに罹るといわれています。がんは細胞の遺伝子が傷つくことで発生し、その細胞が増殖し続けるという厄介な病気です。がんの治療は通常、がん細胞を破壊したり除去したりすることでその数を減らすことを目的にするのですが、意図的に増やされるがん細胞があります。これは何のためでしょうか?
ヒント
- そのがん細胞はより増えやすい性質があります
- そのがん細胞の持ち主はすでに亡くなっています
- そのがん細胞は世界中で増やされています
答え
HeLa(ヒーラ)細胞という、試験や研究に用いられるがん細胞があります。通常のがん細胞と比較して高い増殖能をもち、いろいろな場所で簡単に培養することができ、実験動物に植え付けると腫瘍を形成することができます。
HeLa細胞は1951年にがんで亡くなったヘンリエッタ・ラックスさんの腫瘍から作られました。がんだけでなく、いろいろな感染症や人体への被爆など、さまざまな研究や治療方法の開発に使われることで、今もなお多くの人の命を救っています。