DESC法 要望を相手に伝える為の4ステップ
DESC法とは、自分の要望を相手に伝える際、4つの段階に分けて考える方法です。DESC法を用いると、伝えにくい情報の一つである「要望」の伝えやすさ、伝わりやすさが向上します。
DESC法の4ステップ
- Describe(描写する)
- Express、Explain(表現する、説明する)
- Suggest、Specify(提案する、具体的に挙げる)
- Choose、Consequence(選択する、結論)
各ステップの解説
Describe(描写する)
解決しようとする問題の現在の状況や、相手の行動について「客観的」に描写します。
ステップ「D」のポイント
- データなどを用いて客観的に描写する
- 事実のみを端的に描写する
Express、Explain(表現する、説明する)
「E」には「Empathize(共感する)」や「見せる(Expose)」を充てる場合もあります。描写したことに対しての「主観的」な気持ちを表現したり、相手の気持ちに共感したりします。
ステップ「E」のポイント
- 感情的、攻撃的にならない
- 自分の弱い部分、困っている気持ち、改善できる事を伝える
Suggest、Specify(提案する、具体的に挙げる)
状況を変えるための「具体的」で「現実的」な解決方法や代替案、妥協案を提案します。
ステップ「S」のポイント
- 「命令」ではなく、強制力のない「提案」をする
- 絶対に相手を責めない
Choose、Consequence(選択する、結論)
要望を受け入れてもらった場合、受け入れられなかった場合に対する次の行動を決めた上で、判断します。その上で状況がどのように変化するかを伝えます。
ステップ「C」のポイント
- 双方のメリットを伝える
- 受け入れられなかったときは代替案を聞いてみる
- 前のステップに戻らない
DESC法のポイント
DESC法では結論である「C」から逆算して組み立てましょう。また、要望の強制ではなく、妥協点の模索を目的として使用することが肝心です。DESC法は問題解決のための思考法としても有効です。
DESC法の例
価格交渉する場合
D:描写
- 近隣店やWebショップと比べて価格が高いことを示す
- 型落ちの商品である事を確認する
E:表現、説明
- できれば近くの店舗で購入したい旨を伝える
- 最安値で買えなくても良い旨を伝える
S:提案
- 他の商品も一緒に買う可能性を示唆する
- ポイントや保証など他のサービスは不要である旨を伝える
C:結論
- 安くなった→購入する
- 安くならなかった→値引きの権限のある上司と交渉する
価格交渉を断る場合
D:描写
- 今日持ち帰ることができる事を伝える
- 故障時にも迅速な対応ができる旨を伝える
E:表現、説明
- 自分のもつ権限の限界まで値引きしている事を暴露する
- 安売りし過ぎると成績に響く事を伝える
S:提案
- ポイントによる間接的な値引きを提案する
- 配送料を無料にする旨を伝える
C:結論
- 購入してくれた→端数分だけ値引きする
- 購入してくれなかった→上司に相談する
制作物の修正を依頼する場合
D:描写
- 製作者のこれまでの制作物と比較する
- 仕様書の要求と照らし合わせる
E:表現、説明
- 制作の苦労を理解している事を伝える
- よりよいものを作りたい旨を伝える
S:提案
- 納期の延長を提案する
- 次の案件の依頼を約束する
C:結論
- 修正してくれた→修正作業をサポートする
- 修正してくれなかった→修正費用の上積みを提案する