虚記憶

虚記憶(きょきおく)とは、実際には経験していないのに、まるで本当に体験したかのように鮮明に思い出してしまう記憶のことです。
虚記憶の例
子どもの頃の思い出
親から話を聞いたり、古い写真を見たりしているうちに、本当は自分が覚えていないことであるにもかかわらず自分が体験したかのように勘違いしてしまう。
曖昧な目撃証言
事件の目撃者が警察官から誘導的な質問を繰り返されるうちに、本当は見ていなかったことについて「見た」と証言してしまう。
集団の記憶
あるテーマについて集団で話をしていると、話が誇張されたり細部が付け加えられたりして、共通の記憶を作り上げてしまう。
トラウマの克服
トラウマになるようなつらい記憶をなかったことにするために、別の記憶を上書きしてしまう。
虚記憶の生まれる原因
- 暗示
- 繰り返し言われたり、誘導されることで暗示をかけられる
- 想像
- 断片的な情報や過去の記憶、自分の願望などから都合の良い記憶を想像する
- 情報ソースの混同
- テレビや本で得た情報、人から聞いた話などを自分の体験と混同してしまう
- 再構成時のミス
- 時間経過や感情によって記憶が変化し、再構成の際に誤った情報が混入する
虚記憶とうまく付き合う
曖昧な記憶よりも鮮明な記憶が優先され、古い情報よりも新しい情報が優先されるため、虚記憶は誰にでも起こり得る現象です。それだけに、お金や信頼が関わる場面では問題の原因になる可能性をはらんでいます。
記憶が必ずしも完全ではなく、正確ではないことを理解して、虚記憶に対応する手段を用意しておくべきでしょう。
虚記憶への対応例
- 会議の議事録
- 録音や撮影
- 第三者の同席 など