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間違っていない意見が複数ある場合

たくさんの物事を比較して一つを選ぶ

「考えるネコ、想像するイヌ」では、対立する2つの意見について考える「セルフディベート」を行っています。そのほとんどは極論ともいえる2つの内容を比べることで、自分の考えを見つけ出してもらおうとするものですが、実際にはよりたくさんの物事を比較して、その中から一つを選ばなければいけない場合もあります。

例:デザインを決める

例えば、「新しく始まるサービスのチラシのデザインを決める」場合のことを考えてみましょう。社内でチラシのデザインを募集したところ、4つのデザイン案があがってきました。

1つ目は「シンプルで大人向けのデザイン」です。デザインした人によると「シンプルな方がわかりやすいので」ということでした。

2つ目は「情報量の多いかっちりとしたデザイン」でした。デザインした人によると「伝えるべき情報はもれなく伝えなければ誤解が生じるから」ということでした。

3つ目は「色鮮やかで賑やかなデザイン」です。デザインした人によると「チラシはまず手に取ってもらわなければ始まらないので」ということでした。

4つ目は「大正レトロな雰囲気のあるデザイン」です。デザインした人によると「昨今レトロデザインが流行っているから」ということでした。

いずれも間違ってはいない

できれば4つとも作成して、配布後に一番効果のあるものに収束していく、というようなことをすればよいのですが、大抵は予算や時間の都合から、一つしか作成できないはずです。先に挙げたデザイン案は、いずれも素敵なものですし、デザイナーの説明も納得できるものです。会社としてはこの中からチラシのデザインを決めなくてはいけません。

このとき、どうやってデザインを決めるのが正しいのでしょうか。デザイナーの経験値の有無、社員トレーニングの視点、社内の投票による多数決、社長の鶴の一声、担当者や責任者の好み、人間関係、作業の速さなど、たくさんの要素が判断基準となり得ます。どの基準を使っても良いのですが、ポイントはその判断基準や経緯をきちんと言語化しておくことです。

本当は正解はひとつ

本当は、最も効果のあるチラシのデザインはひとつしかありません。ただ、それはチラシ作成時には誰にも知り得ない、わからないことなのです。だからこそ、この判断に時間をかけ過ぎるのも、行き詰まってしまい、判断をしないという結論にたどり着くのも避けなければいけません。

まとめると、間違っていない意見や方法が複数あり、その中から選ばなくてはいけないときには、まずはできる限り考えましょう。そして、次回以降にその思考や判断の精度を少しでも上昇できるよう、結論に至った経緯や理由を言語化して、残しておくべきです。

記事タイトル間違っていない意見が複数ある場合
掲載日2024年4月20日
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