アンケート
アンケートとは
アンケートとは、共通の質問を記した調査票を用い、多くの人から情報を集める方法です。社会調査の手法の1つとして、よく実施されます。
アンケートのメリット
アンケートは、比較的低いコストで効率よく情報収集ができます。また、複数人に対して同じ質問をすることで、比較できる意見をあつめることが可能です。さらに、インタビューに比べると、調査票に答える方法は自分のペースで回答することができ、正確な回答を得やすいことがわかっています。一方で回答者に対しては、曖昧な捉え方をしていた事柄について、自分がどう考えていたのかを明確にさせる効果もあります。
アンケートの流れ
- 調査計画
- 準備と実施
- 集計と分析
- 報告と活用
調査計画
調査目的や調査対象、調査規模、調査項目などを設定します。
準備と実施
調査表を作成して、実際に調査を行います。
集計と分析
集まったデータを集計して、統計処理を行います。
報告と活用
(アンケートに限らず)調査では、調査結果の報告と当初の計画に基づいた活用がなされることが望ましいでしょう。
リッカート法とSD法
アンケートでは、自由記述による回答はデータの処理に手間がかかるため、選択式の設問を使用することが多いです。また「YES」「NO」だけではなく、数段階にわけて意見の程度を聞くことで、より詳細な分析が可能となります。
リッカート法
リッカート法は、レンシス・リッカート(アメリカの心理学者)が考案した心理的尺度構成法です。評価的意味をもつ文章を提示し、それについて「積極的な賛成」から「積極的な反対」まで、5段階の尺度で意思表示をさせます。
例)この設問について
- まったくそう思わない
- あまりそう思わない
- どちらでもない
- ややそう思う
- 強くそう思う
SD法
SD法(セマンティック・ディファレンシャル法)は、尺度構成法の一つです。「明るい」と「暗い」、「重い」と「軽い」、などの対となる形容詞を用いて、ある事柄の与える感情的なイメージを、5段階(あるいは7段階)の尺度を用いて判定します。
明るい | 非常に | やや | どちらでもない | やや | 非常に | 暗い |
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アンケートの問題点
アンケートには、次のような問題点があります。
- 実施者が回答者よりも質問内容について熟知している場合が多く、設問以上の結果が得られない
- 効果的なアンケートの作成や実施には、専門的な知識が必要である
- 実施の容易さに比べ、分析には統計学などの専門知識が必要である
- 設問の内容によっては実施者の意図した結果に誘導することができる