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名前について考える

名前について考える
前提となる事実
戸籍法の改正にともない、2025年度から漢字本来の読み方と違う、いわゆる「キラキラネーム」に一定の制限がかかる見通しです。

名前は自分でつける方がよい

他者からつけられた名前への違和感

親からもらった名前をありがたく感じることもありますが、一方で「名は体を表す」という実感を得られないケースもあります。例えば、自認している性格は繊細であるのに、力強い印象を与える名前であることにギャップに覚える、などです(参考01)。また、本名以外でも他者からつけられた「あだ名」によって、嫌な思いをする事例もあります。あだ名は外見を揶揄する傾向があるからです(参考02)。実際に、いじめへの発展を抑止するために「あだ名」を禁止する学校も増えてきました(参考02)。

自分のイメージをコントロールできる

名前は、ある程度その人の「イメージ」を作っています。一般的な名前、いわゆるキラキラネームではない名前の場合、難読であったり独創的であったりするキラキラネームと比べると、「堅実」や「実直」なイメージを与えます(参考03)。キラキラネームの与えるイメージが必ずしも悪いものとは限りませんが、いずれにせよ名前には、見た目と同様に第一印象に影響を与えます(参考04)。そのため、他者に抱かせたい自分のイメージに合う名前を、自らが選んでつけられる方がストレスが少ないはずです。他にも、日本人にとって発音しづらい名前を持つ日本在住の外国人にとって、日本での生活に馴染むような通称を用いることのメリットはたくさんあります。日本の社会で生活するうえで利便性が高く、差別を受けにくくなるからです。

名前はアイデンティティの一部である

時代が進むにつれて、名前は「個人」を表すものになってきました。名前の役割は、自分が生まれた「家」、あるいは「村」や「共同体」など、所属を表していた古い時代とはすっかり変わりました(参考01)。すでにインターネット上では、自らがつけた名前(ニックネームやハンドルネーム)が自分自身の人格として周囲から認められています。名前の役割として個体識別が重要なのであれば、重複する可能性の高い「家」の名前ではなく、自身が選んだ「個」の名前を用いるべきです。「個」の名前であれば、自認している性別なども反映することができます。

名前は他者からつけられた方がよい

名前を与えられるということ

出生して間も無く他者から名づけられ、日本においては戸籍に登録されることによって、自らのIDが保証されている点は、本人にとっても社会にとっても利便性が高く効率的です。また、名づけを担う他者の多くは親族であり、つけられた名前には生まれたばかりの子どもの成長や幸せを願う気持ちが含まれているはずです(参考01)。自分で自分を名づけるのではなく、他者から名づけられる行為は、誕生と共に社会から祝福され、受け入れられていることを示します。名づけられた全ての人間は、その自覚がなくても、人生の最初の段階で承認欲求が満たされているのです。

名前はファミリーヒストリーである

夫婦別姓や選択制夫婦別姓を採用している国においても、夫婦間に生まれた子どもは父か母のいずれかの姓、あるいは両方の姓を引き継ぐ形がほとんどです。文化や風習、宗教が違っても、多くの人がルーツ(自身の家族や祖先)を引き継ぐ発想を持っていると言えます。婚姻の際に、カップルが新たな姓を作って登録することが許されている国においても、両者の姓をハイフンで繋いだり、合成したりする形が主流である点から、自身のルーツを抹消するのではなく、何らかの形で残したいと考える傾向が見て取れます。現代において「個」は尊重されるべきものですが、拠り所がひとつも無い状態は現実的ではありません。「個」として確立するためにも、自身のルーツ(家族との繋がり)と関連の強い、与えられた名前を持ち続けることが心理的な安定に繋がります。

名づけられたことで得られる社会性

名前の最も重要な役割は、自己表現や自己演出のためではなく、社会の中に存在する「かけがえのない個人」を識別することにあります(参考02)。その観点では、できる限り永続的に使用できる名前が望ましいはずです。しかし、自己認識による自己命名では恣意的になりやすく、名前の長期的な使用は期待できません。客体である他者から冷静に命名された名前の方が、適切である可能性が高くなります。そして与えられた名前を、他者から呼び続けられることで、唯一無二の個人が社会性を獲得していけるのです(参考03)(参考04)(参考05)。

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