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ルールはおもしろい

ワールドカップは楽しい

これまで自分には馴染みのなかったバスケットボールですが、2023年のワールドカップを観戦して大いに盛り上がりました。日本代表チームが、初めて自力でオリンピックの出場権を手に入れるまでの流れは感動的でした。同時に「バスケットボールはよくできたスポーツだな」と、感心しました。世界のプロスポーツの中でも、NBAが巨大な市場を獲得できている理由がよく分かった気がします。

バスケはテンポの良さが肝

プロの試合をじっくりと見たことがなかったときでも、バスケットボールは1試合での得点数が他のスポーツと比べて高いので、どんどんゴールが決まるスピーディーな展開が楽しいのだろうと想像していました。以前は単純に、そういう性質のスポーツなのだと思っていましたが、バスケットボールの性質を「より活かす」ためのルールが多く存在していることを新たに知ることができました。たとえば、24秒以内にシュートしなければ相手チームのボールになるというルールによって、得点上有利にあっても試合終了までボール(パス)を回して時間を稼ぐことはできないようになっています。

食らいつくさまを評価するラグビー

ラグビーのワールドカップでも、ルールの面白さを感じました。試合中のルールも興味深いものが多いですが、私が注目したのは、ワールドカップの予選リーグにおける勝ち点のシステムです。ラグビーは、ジャイアントキリング(予想に反して、弱小チームが強豪チームに勝つこと)が、まず起きないと言ってもいいほど、実力どおりの勝敗がつくスポーツとして知られています。その点を考慮してか、7点差以内の僅差で惜しくも敗戦した場合は、1ポイントの勝ち点が得られるのです(ちなみに勝利は4ポイント、引き分けは2ポイント、敗戦は0ポイントで計算されます)。ルールに注目してみると、観客がそれぞれのスポーツに何を期待しているのか、どのような部分を面白く感じ、楽しんでいるのかが見えてくる気がします。

日本人の美徳

日本で大きな災害が発生した際に、海外メディアに「日本人は、ルールをとてもよく守る」という部分を評価されることがあります。諸外国と比べると、日本の火事場泥棒の発生件数が極めて少ないことが理由のようです。他にも、日本の交通機関の時間の正確さなどを取り上げて「ルールを厳守する国民性」と見なされています。時折、その性質を皮肉ったジョークを聞くこともありますが、おおむね日本人の真面目さは良いものとして評価されている印象です。

ルールは自分のためにある

ルールは、法律や条約のような仰々しいものだけでなく、スポーツやゲームで指定されているものも含めて、すべて私たちのためにあるものです。ルールが守られている状態は快適なはずです。日本ではルールを守る人が多く、中にいると実感が得難いですが、なんだかんだ言って日本は快適な国なのだと思います。それは「治安が良い」という言葉でよく言い表されています。

「ルールを守る」は前提

日本人は「ルールを守る」ことに長けている一方で、他の先進国と比べると「ルールを作る」という感覚が浸透していないようです。日本でもプロスポーツに関しては、より選手のパフォーマンスが発揮されるように(あるいは怪我などを防ぐために)、より観客が楽しめるようにと、ルールの変更や修正が随時行われています。しかし、ルールを作るのは「他の誰かであって自分ではない」という思い込みが強いようです。日本人にとっては、ルールと言えば「守るもの」と考えるのに対して、欧米先進諸国では、ルールは「作るもの/変えていくもの」という感覚が強いようです。

「守る」から、もう一歩

ルールを「法律」とか「規則」と呼んでしまうと、堅苦しいものに感じられますが、スポーツやゲームに置き換えてみると、より楽しめるようにするものという側面が見えてきます。たくさんの人が楽しめるように「ルールは守る」という日本人の美徳を保ちながら、自分たちのために「より良いルールに変えていく」「新しいルール作りを考えていく」という発想も持てるようになると、世界の舞台でも闘える人材に近づけるのではないでしょうか。

記事タイトルルールはおもしろい
掲載日2023年9月30日
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