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本の読み方

本を読む人、本を読まない人

文化庁が2018年に行った調査によると、1ヶ月に1冊も本を読んでいない人は国民の半数に及びます。これは、2008年、2013年の調査でも同様の結果になっており、大きな増減はみられません。メディアが多様化し、情報を入手する手段が増えましたが、半数の人は本から情報を得ていることがわかります。

本を読む目的は人それぞれですが、「新しい知識や情報を得ること」を目的にしている人が6割を超えます。本稿では特に技術書やビジネス書などの実用書についての本の読み方について考察しました。

本の選び方

実用書では、新しいことを学んだり、疑問を解消したりなど、目的を達成できる本を適切に選ぶ必要があります。本の選択を失敗すると、本を読む意味の大半が失われてしまいます。

どの本を読むか見当をつける

書店や図書館に行く前に、インターネットで目的の本を探してみましょう。どのような本がどのくらい出版されているのか、最新の本はどれなのかなどを把握することができます。また、目次や抜粋が公開されている本も多くあるので、本を選ぶ参考にしましょう。

いくつかある候補から絞り込む

インターネットで下調べした結果、見つけた本をそのまま購入してもよいでしょう。しかし、書店や図書館で実際に手に取り、比較することができればベターです。また、インターネットではうまく見つけることができなかった場合は、希望する内容を書店員や司書に伝え、一緒に探してもらいましょう。書店員や司書が「よく売れている本」や「よく借りられている本」だけではなく、その分野の名著や定番となっている本を紹介してくれる場合もあります。

一歩進んだ本の選び方

すでにその分野でいくつか本を読んでおり、それに関連する情報やさらに詳しい情報を得たい場合には、巻末などに掲載された関連図書や参考図書から本を選ぶのも一つの方法です。

「本の選び方」のポイント

本を選ぶ前に、本からどのような情報を得るつもりなのかを明確にしておく必要があります。また、希望する内容が書いてある量や

本の読み方

「本の読み方」に絶対的な正解はありませんが、特に実用書の読書において、多くの人に有効と思われるいくつかのテクニックがあります。

目次を読む

もっとも簡単にできるものが「目次を読む」ことです。先に目次を読むことで、本の構成や重要なポイントをあらかじめ掴むことができます。

章毎に読む

多くの本は章立てされているはずです。一度に読む分量を時間やページ数で区切るよりは、章で区切るほうが理解度を下げることなく本を読むことができます。

素読する

「素読(そどく)」は、本来は漢文などを(意味がわからずとも)暗唱できるまで繰り返し読むことを指しますが、ここでは「文章の意味を気にせずに読む」という意味で用いています。理解するのは次回読むときに、くらいの軽い気持ちで読み、概要や章毎のつながりをつかみましょう。

何度か読む

何度か目を通していると、次第に重要なポイントがわかるようになります。最終的には理解を深めるべく、じっくりと読みましょう。

付箋をつける

素読の途中からでも、じっくりと読み始めてからでもよいので、重要な箇所には付箋をつけるようにします。付箋を何種類か用意して、重要度や意味によって異なる付箋を用いるのも良いでしょう。大きめの付箋であればメモの書き込みもできて便利です。特に、借りた本では書き込みもドッグイヤー(ページの端を折り込むこと)もできないので、付箋の利用をおすすめします。

順に読むこと、全部読むことに固執しない

本が苦手な(もしくは苦手と思っている)人の多くがしてしまう間違った行動のひとつが「本を最初から最後まで順を追って読む」ことに固執してしまうことです。また、全ページを熟読しなければ気が済まない人も同じ問題を抱えているといえます。実用書の読書では「本を読むこと」が目的ではなく、「(目的を達成できる)情報を得る」ことが目的なので、素読で必要だと判断した箇所だけじっくり読めば十分です。

あきらめる

目次に目を通した時点、あるいは素読が完了した時点で、その本を引き続き読むかどうかを一度判断しましょう。自分にとって難しすぎる(簡単すぎる)、または不要だと判断したら、その本を読むのを途中でやめるべきです。

「本の読み方」のポイント

繰り返しとなりますが「本を読むこと」が目的ではありません。目的の情報を得ることができれば、完読しなくとも本を置いて良いのです。また、「自分には合わないかな」と思ったら、その本以外にもよりわかりやすい本や、読むべき本があると思って、読書を中断する判断も必要です。

本を読み終えたら

本を読み終えたら、内容をまとめたり、関連する書籍を見つけたりすることで、知識の固定とさらなる広がりを促すことができます。

アウトプットする

SNSで発信する、手帳に書く、人と話すなど、手段は問わないので、読んだ本についてアウトプットしてみましょう。読んだ本の内容をうまく説明できないときは、理解が十分ではない可能性があります。

再読スケジュールを立てる

素読しかしていない本はもちろんのこと、自分では読み込んだつもりの本であっても、時間を置いてもう一度読んでみると新しい発見があるかもしれません。その本を読むのが自分には早すぎた、と感じた場合は時間を明けて再挑戦するのもありです。

関連書籍を読む

多くの本には参考図書、関連図書が掲載されているはずです。同じ著者の本を探すのもよいし、気になった情報を掘り下げるのもよいでしょう。読んだ本を入り口として、芋づる式に知識の幅を広げ、深度を深めることができます。

本を手放す

読み終えた本は、再読する予定のあるもの以外、手放してしまっても良いかもしれません。手放すのが惜しいときは、まだ読むべきところが残っている可能性があります。

「本を読み終えたら」のポイント

良い本は、次の「読むべき本」をあぶりだしてくれます。

まとめ

「読書の目的は情報を得ることだ」ということを常に意識すれば、より効率良く、より効果的に本を読むことができる。これは本を選ぶ時、入手する時、読んでいる時、読了後、いずれの段階においても役立ちます。

記事タイトル本の読み方
掲載日2023年9月23日
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