想像力があれば上手な指示が出せる
指示と想像力
他人とのコミュニケーションの中で、もっとも難しいもののひとつが「指示を出すこと」ではないでしょうか。指示を上手に出すには、指示を受ける人のことや状況の変化に対応するための想像力が欠かせません。
指示の種類
指示は「粒度」または「時間」で分類することができます。
指示を「粒度」で分類する
- おおまかな指示
- 目標タイプの指示。ゴールを示すもの、例えば「売上を伸ばせ」など
- 細かい指示
- 作業タイプの指示。目標に近づく手段や段階を示すもの、例えば「会議を調整しろ」など
指示を「時間」で分類する
- 過去に関する指示
- 知識や経験など、変化しないことが前提の指示
- 現在に関する指示
- 操作説明、レシピ、組み立て説明書など、今すぐ行動することを要求する指示
- 未来に関する指示
- 目標や関係性など、変化する可能性のある指示
指示の構成
指示のうち、もっとも多い「行動を促す指示」は、次の部品を組み合わせて構成されています。
- 核心(指示そのもの)
- 意図(指示を出した理由)
- 目的(指示のゴールと影響)
- 時間(指示の達成に必要な時間)
- 見込(指示の達成を判断する目印)
- 警告(指示の未達成を警告するアラート)
例)プレゼンのスライドを作成させる指示
- 核心
- プレゼンのスライドを作成してほしい
- 意図
- 明日午後の会議でチームがプレゼンをしなければいけない
- 目的
- プレゼンを成功させること
- 時間
- 今日の午後と明日の午前、あわせて5時間ほど
- 見込
- 10枚〜15枚程度のスライドになるはず
- 警告
- 今日の午後が終わった段階で骨子ができていること
例)アンケートを実施させる指示
- 核心
- チームメンバーにアンケートを実施してほしい
- 意図
- メンバーの不満をあきらかにしたい
- 目的
- メンバーが快適に活動できるようにすること
- 時間
- 次回のイベント実施の1週間前までに
- 見込
- 回答率が5割以上である
- 警告
- 次回のイベント実施の2週間前までにアンケートの内容が決まっていないこと
指示を出す前に確認すべき項目
指示を出す前には、以下の項目が満たされているか確認してみましょう。
指示が明快かどうか
- 指示の目的がはっきりしているか
- 指示を受ける人が理解できる内容か
- 指示を出す意図と必要性が伝わるか
指示の達成手段があるかどうか
- そもそも達成できる指示か
- 指示を達成するためにするべきタスクを把握しているか
- 指示を受ける人が理解できるよう段取りを説明できるか
基準があるかどうか
- 指示の実行のあいだ、目印となるものがあるか
- 失敗を自覚できる手段があるか
あそびがあるかどうか
- 指示の達成手段にバリエーションがあるか
- 失敗を容認できるか
想像力と上手な指示
まとめると、「上手な指示」は以下のことを満たしています。
- 指示の内容が全体の目標に合致する
- 指示を受ける人の取るべき行動があきらかである
- 指示達成を判断する明確な基準がある
- 指示達成の手段が複数ある
全体のこと、現状のこと、指示を受ける人のことを理解して、さらに今後起こりうる変化を想定していなければ、上手な指示を出すことはできません。また、指示の伝わり方には立場や経験、状況によって差があるので、想像力を使って適切な指示がだせるように努めましょう。
記事タイトル | 想像力があれば上手な指示が出せる |
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掲載日 | 2023年10月7日 |
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