あなたの笑顔が……クリティカルヒット
最初はグー!
子どもの頃、ザ・ドリフターズの「8時だョ!全員集合」という番組が絶大な人気を誇っていたこともあり、じゃんけんをする時の「最初はグー!」のあとに、「いっかりやチョースケ、あったま(頭)はパー」と続けるのが(地域差はあるかも知れませんが)小学生の間では流行っていました。「チョースケ」のところで手をチョキに、続けて「パー」のところでパーを出すと、(最初は)グー、チョキ、パーを順番に出しながら、本番の「じゃんけんポン!」までの緊張感を高めていけるのです。誰が考えたのか分かりませんが、よくできているフレーズだと思います。
お笑い原体験
とにかく当時は流行っていたので、私も何の気なしに家で「いっかりやチョースケ、あったま(頭)はパー」と口にしたところ、母からこっぴどく叱られたことが印象に残っています。母が何を問題視していたかと言うと、「いかりや長介さんは馬鹿ではない」という主張がベースになっていました。本当に馬鹿だったら、バカなことをして人を笑わせることはできない。だから、いかりや長介さんは馬鹿ではない、というのが母の言い分で、私の「お笑い」というものへのリスペクトは、そこから形成され始めたのではないかと感じています。
母の教え
私も子どもながらに本気で、いかりや長介さんの頭はパーだと思っていた訳ではありませんし、普段なら、子どものお遊びレベルでのことを怒られて、反発を覚えてもおかしくありませんでした。けれども、「人を馬鹿にしてはいけない」と「芸のある人(何かできる人)を見下してはいけない」という母の考え方には納得できるものがありました。母の教えどおり(というのは少し違いますが)、いかりや長介さんが後に、和製モーガン・フリーマンと呼ばれる名優になった点からも、バカなことをして「人を笑わせられる」人は、人を泣かせる演技もできてしまうことの証左なのではないでしょうか。
ショウほど素敵な商売はない
そんなこんなで成長するにしたがい、人を笑わせられるということは、なんて素敵なことであろうか!お笑い芸人とは、なんと素晴らしい職業だ!サンボマスターと同じくらい「愛と平和」の探求者といっても過言ではないのだ!と心の中で叫ぶことが増えていきました。思春期や若年層の頃は、「『笑わせる』のと『笑われる』のとでは大違いだぜ」などと、生意気なお笑い論を振りかざしていましたが、長く生きてきた結果、狙って「笑われて」いる芸人さんに対しても、「尊いぜ」と敬えるようになりました。
年の瀬には「お笑い」を
お笑い好きが高じて、当サイトのセルフディベートでも以前に「ボケとツッコミについて考える」というテーマまで取り上げてしまった私ですが、「お笑い」という楽しいものについて、御託を並べて分析するなんて「無粋だわ」という思いも強くあります。本来は、四の五の言わずに腹を抱えて笑ってしまえば良いのであって、だからこそ年末年始には、お笑い・演芸番組が目白押しなのだと思います。今年という一年がどんな年であっても、締め括りには「お笑い」の力を借りて笑い飛ばして、新しい年の始まりも笑顔で迎えることが何よりのはずです。明日は、M-1グランプリ。心から、楽しみです!
記事タイトル | あなたの笑顔が……クリティカルヒット |
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掲載日 | 2024年12月21日 |
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