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学ぶのはしんどい

学ぶのはしんどい

全く知らないことを新しく学ぶことは、知的な喜びを伴う一方で、多大な負荷を伴う「しんどい」作業でもあります。これは、知らない専門用語を記憶したり、試行錯誤と失敗を繰り返したりしなければならないからです。この傾向は加齢とともに顕著になり、年々新しい知識の吸収が難しくなっていると感じる人は少なくありません。

年齢を重ねると、なぜしんどいのか

その背景には、新しい環境への適応力や直感的な理解力を司る「流動性知能(Fluid intelligence)」の衰えがあります。流動性知能は20代後半をピークに低下傾向を示し、脳の神経回路の再構築(可塑性)も若い頃に比べて時間がかかるようになります。ただし、40代や50代は、これまでに培った経験や知識の体系である「結晶性知能(Crystallised intelligence)」が成熟する時期でもあるので、単に能力が衰えたというよりは、脳の得意とする学習スタイルが変化していると捉えるとよいかもしれません。

経験という諸刃の剣

しかし、蓄積された経験が新しい情報を受け入れる際の障壁となることも事実です。「昔はこうだった」「この方法が正解のはずだ」という過去の成功体験に基づく予測は、常識を覆すような最新ツールや技術を前にしたとき、かえって学びの足かせとなります。古い知識をアップデートできず、新しい実践に移行するまでに余計な時間を要してしまうのです。

失敗できない恐怖と心理的抵抗

さらに、社会的責任が増す年齢特有の環境も影響します。若い頃のように「失敗しても許される立場」ではないことが多く、無意識に挑戦を躊躇させてしまいます。「本当にこの知識は自分に必要なのか」という費用対効果を求めるような心理的抵抗感も、学習への一歩を重くする要因です。

「アンラーニング」から始める

このように、大人の学びを阻害する要素は、生物学的な老化から社会的立場まで多岐にわたります。これらを克服し、再び学ぶ楽しさを取り戻すためには、過去の成功体験を一度脇に置く「アンラーニング(学習棄却、学びほぐし)」が必要です。年齢による限界を認めた上で、自らの経験を過信せず、初心に帰って素直に新しい知識と向き合う姿勢こそが、生涯にわたる学びを支える鍵となりそうです。

記事タイトル学ぶのはしんどい
掲載日2026年7月4日
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