読込中

「利己」を包みこむ「利他」

「利己的」な願い

あまり品の良いことではないと分かっているものの、「誰かの願いごと」を読むのが好きです。たとえば、七夕の短冊や神社の絵馬など。「お金持ちになりたい!」というような屈託のない、直球の願いごとも憎めません。また数多くある合格祈願を見ると、かつて熱心に勉強しなかった私は絵馬に「合格」と書いたことがないため、「きっと真剣に勉強しているんだろうな」と想像が膨らみ、応援する気持ちや尊敬の念が湧いてきます。

「利他的」な願い

読んでいて気づくのは、思いのほか、他者の幸福を願うものが多いことです。家族の健康や安寧を祈願する短冊や絵馬は、「願いごと」をカテゴリ分けすると、最も多いのではないでしょうか。これは、あまりにも欲にまみれた「願いごと」を神様に届けるのは気が引けるからかも知れません。ただ、そうだとしても、これほどたくさんの人が自分以外の人間の幸せを願っているのを目の当たりにすると、とても温かい気持ちになれます。

スイミングの昇級より、力士推しの小学生

昨年の夏、ショッピングモールの中に飾られていた大きな七夕飾りのなかに、子どもの字で書かれた「一山本が横綱になれますように」という短冊を見つけました。地元出身力士ではないので「なんで、一山本やねん!」と突っ込みながらも、横綱になって欲しいという推しの情熱が、相手の出世=幸せを願う気持ちと重なっていることに「何気に尊い」と感じ入りました。ちなみに一山本関は、笑うとエクボが出るし、インタビューの受け答えはアンパンマン級にハキハキと爽やかなので、子どもに人気があるのもさもありなん、なのです。

熱い、暑い、名古屋場所

余談ついでに、7月12日から大相撲の名古屋場所が始まります。もし今度、願いごとを書く機会があったら、私も「誰かの幸せを……」と言いたいところですが、やはり「大相撲の観戦チケットが取れますように」と、利己的な欲求を書いてしまいそうです。せめて、憎めない願いに見えますように。

記事タイトル「利己」を包みこむ「利他」
掲載日2026年7月11日
カテゴリー
表示数 30views