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「甘える」というコミュニケーション

留学生と日本式のテスト

夏休みを前に、担当している学生にテストを実施する時期になりました。留学生にとって、日本語で行われる日本式のテストは非常に難しいものです。まずは彼らの日本語力が「問題を読めるか」「問題を理解できるか」に大きく関わってきますし、独力でペーパーテストや実技に取り組むことに慣れていない学生は、実力を発揮するのが難しい場合もあります。

テストにおける留学生の振る舞い

私が担当しているアジアの留学生の中には、日本式のテストの厳格な雰囲気に耐えられず、友だちと話そうとしたり、友達の回答を覗き見ようとする学生もいます。事前に私語やカンニングがいけないことであることは伝えているにもかかわらず、です。これらの行為を見つけた場合、厳しく注意するのですが、その直後に同じことをする別の(あるいは同じ)学生が現れるのも不思議なところです。

日本の学生との違い

注意される留学生の多くは、テスト中の私語やカンニングが悪いことだと思っていないのか、悪いと思っていても「やったもの勝ち」だと思っているのか、悪びれる様子がまったくありません。また、日本の学生との一番の違いは、注意されたときや思うようにいかなかったときのリカバリーの仕方です。彼らはとりあえず言い訳を試みます。そして、それが通じないとわかると、「甘える」のです。

甘える文化

もちろん日本の学生でも甘えることで場を乗り切ろうとする学生はいますが、かなり少数派です。一方、留学生の多くが「驚いた顔をする」をスタートとし、「言い訳をする」に進み、その後「甘えて許してもらおうとする」を繰り出します。これは、これまで甘えることで許しえもらえたことがある成功体験からやっていると推量しますが、性別や国、時には年齢を問わず、「甘える」にチャレンジするのは興味深いところです。

「甘える」というコミュニケーション

辞書によると、「甘える」とは「相手の好意や優しさを信じて、それに頼ったり、遠慮しないでその好意を受け入れたりすること」だそうです。日本人は「察する」コミュニケーションを良しとしているからなのか、明示的に「甘える」行為が苦手な人も多いと思います。(それなりの関係性があれば)甘えられて嫌な気持ちになる人は少ないでしょうから、甘えるのは決して悪いコミュニケーションではないのかもしれません。

記事タイトル「甘える」というコミュニケーション
掲載日2026年8月1日
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