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電子書籍について考える

電子書籍について考える
前提となる事実
2022年の有料の電子書籍利用率は19.8%、無料のみの利用率は26.1%でした。

電子書籍の方が優れている

同じ情報を安く購入できる

同じ書籍でも、電子版の方が安く買えます。電子書籍は紙の本と違い、印刷や販売店までの搬送、さらに店舗での在庫管理や販売などで生じるコストをカットできます。その結果、電子書籍は紙の本よりもリーズナブルな価格になっています。具体的には、アマゾンを利用した場合、ベストセラーのビジネス書「ファクトフルネス」(ハンス・ロスリング著)は、紙の本であれば税込価格1,980円ですが、Kindle版(電子版)は税込1,782円と1割安くなります。単行本だけでなく文庫化されている小説でも、村上春樹の「騎士団長殺し」ならば電子版の方が価格は約2割低くなっています。アマゾン以外の電子書籍販売サービスでも、セール期間には、紙の本の販売店では見られない高い割引率での購入が可能です。

持ち運びの利便性

電子書籍であれば、スマートフォン(以下、スマホ)1台で何冊もの本のデータを持ち運べます。普段使っているスマホにアプリをダウンロードすれば、どこでも購入した本を読むことができます。機種にもよりますがスマホの重量、およそ200グラムは、文庫本1冊(380ページ程度のもの)とほぼ同じです。また、外出先であってもインターネット環境が整っていれば、新たな電子書籍を購入して読むことができます。さらには紙の本のように搬送する必要がないため、流通の際に生じる二酸化炭素が削減でき、環境負荷の軽減にもつながります。

データで保有できるメリット

どれほど多くの本を所有しても、データを保管するだけで済むメリットは大きいです。読書が趣味であれば、自宅での蔵書数は増える傾向にあります。これは活字好きに限らず、人気のある作品は100巻を超えることもある漫画の愛好家にも当てはまります。電子書籍にすれば、それらを置く物理的なスペースは必要はありません。また、紙の本とは違い、地震の際に重量のある本棚が転倒する危険もなく、火災が起きても所有しているデータは失われません。災害時に限らず平常時においても、所有したデータにアクセスする手段さえあれば、購入した電子書籍を「失くしてしまう」ことはないのです。

参考資料

  • なし

紙の書籍の方が優れている

学習に向いている

紙の書籍のページをめくる手間が、学習には向いています。例えば、電子辞書は検索結果が早く出る代わりに、確認したい語句以外は視界に入りにくいレイアウトになっています。その点、紙の辞書は引く過程で、調べたい言葉の周辺情報まで目に入ることで、高い学習効果を見込めます。他に、教科書や参考書など、繰り返し同じ内容を確認したいものについても、ページを前後しながら単元の流れを押さえられる点や、書き込みがしやすい点でも紙の方が適しているのです。

本には物としての価値もある

本の価値は、情報がすべてではありません。すでに内容や結末を知っているストーリーであっても、気に入っているものを手元に置いておく人は少なくありません。愛蔵版の発売や、初版本コレクターの存在がそれを証明しています。また通常の単行本でさえ、発行するにあたっては、出版社やプロの手によって装丁のデザインが練られ、施されている点にも、物としての需要と価値が見て取れます。

ページをめくる楽しさ

電子書籍では、大判書籍の魅力を堪能できません。いくらか画面の大きいタブレットを使用したり、拡大表示を行えたりしても、大判書籍の視認性の高さや迫力などは再現できません。また、本によっては手触りへのこだわりも見逃せません。紙以外の素材を使用している一部の絵本のようなものに限らず、辞書などでも、ページをめくる際の心地よさを考えた紙質が採用されており、タブレットやスマートフォンからは得られない体験があります。

本棚の魅力

本棚の存在によって、新たな出会いがあります。書店や図書館では、目的の本を探す中で、隣に平積みされているものや、同じ棚に並べられているものに興味が移ることがあります。また、家族や友人知人の本棚には、自身の関心からは想像し得ない書籍を目にする機会に恵まれます。インターネットでは購入履歴によって「あなたにおすすめ」など提示してくれますが、自身の趣味嗜好の範囲から逸脱することはありません。お店の本棚や他人の本棚を目にすることで、思いもよらず興味の範囲と知見が広がる可能性もあるのです。

参考資料

  • なし

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