高額な通行料金
問題
北アメリカ大陸、南アメリカ大陸は、太平洋と大西洋に挟まれています。大航海時代以降、太平洋から大西洋へ、逆に大西洋から太平洋へ渡る航路を確立することが求められてきました。1914年にパナマ運河が開通したことで、多くの船が太平洋と大西洋を行き来するようになりましたが、パナマ運河の通行料は船の大きさや種類にもよりますが、数千万円から数億円の通行料が必要です。また、パナマ運河は最小幅91メートル、水深が一番浅い場所で12.5メートルと、船の大きさに制限があります。
地図を見ると、南アメリカ大陸の南端には大きな海峡(ドレーク海峡)があり、そちらに迂回したほうが安価に移動できそうなのですが、それをしない理由は何でしょうか?
ヒント
- ドレーク海峡は世界一幅の広い海峡として知られており、最狭部でも約650kmあります
- ドレーク海峡は南アメリカ大陸の南端と、南極大陸の北端であるサウスシェトランド諸島の間にあります
- ドレーク海峡は南緯60度を含みます。南極の氷はそれよりも南に存在します
答え
ドレーク海峡は広い海峡ですが、大陸からの距離が離れている分、非常に荒れやすい海峡として知られています。特に南緯60度付近は「叫ぶ60度」と呼ばれるほど、常に嵐が発生している危険な海域です。もちろん、南極に近いので海水温は低く、誤って海に落ちてしまった場合、助かる確率は低くなります。ドレーク海峡のやや北にはマゼラン海峡がありますが、こちらは最狭部が約2kmと狭く、また暗礁や不規則な海流が面倒な海峡です。総合的に考えて、パナマ運河が選択されているようです。