エフェクチュエーション
エフェクチュエーションとは
エフェクチュエーションは、英語では「effectuation」とかきます。「有効な/効果のある(effectual)」と、接尾語「-ation」を組み合わせた言葉です。エフェクチュエーションは思考プロセスや行動パターンを指す言葉で、主に成功した起業家にみられるものです。
成功した起業家は、机上の論理や分析、予測などではなく、より現実的な「自分が今できること」に基づいて思考したり行動したりしています。サラス・サラスバシー(インドの情報システム学者)がこれを体系的にまとめました。
コーゼーション
エフェクチュエーションではない思考プロセスや行動パターンを「コーゼーション(causation)」といいます。コーゼーションは、過去のデータに基づき、目的ありきで思考したり行動したりすることです。一般に、十分な情報があり、変化が少ない状況ではコーゼーションが有効とされています。一方、情報が十分になく、予測不可能な状況では、エフェクチュエーションが有効です。
エフェクチュエーションの5つの原則
- 手中の鳥の原則(Bird in Hand Principle)
- 許容可能な損失の原則(Affordable Loss Principle)
- クレイジーキルトの原則(Crazy Quilt Principle)
- レモネードの原則(Lemonade Principle)
- パイロットの原則(Pilot in the Plane Principle)
手中の鳥の原則(Bird in Hand Principle)
予測の難しい不確かな未来よりも、現在確実にあるものを重視する原則です。アイデンティティ(価値観や関心、嗜好)、知識ベース(教育やキャリアで得た知識や経験)、社会的ネットワーク(人とのつながり)の3つは誰でも持っているので、ここからスタートします。
許容可能な損失の原則(Affordable Loss Principle)
仮に失敗したとしても、致命的なダメージを受けないように取り組もう、という原則です。これは「手中の鳥の原則」から範囲や程度を設定することができます。
クレイジーキルトの原則(Crazy Quilt Principle)
様々な柄や形の布を張り合わせるパッチワークキルトになぞらえて、さまざまなパートナーと協力することでプロジェクトが進行する、という原則です。
レモネードの原則(Lemonade Principle)
「人生にレモンをもたらされたらレモネードを作れ」のことわざに倣い、逆境や苦境(レモン)を前向きにとらえてチャンスにしよう、という原則です。
パイロットの原則(Pilot in the Plane Principle)
エフェクチュエーションの根幹にある、「予測不可能な状況にも(パイロットのように)きちんと対応しましょう」という原則です。