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相関関係と因果関係

相関関係と因果関係

相関関係と因果関係

相関関係とは

相関関係とは、一方が変化するにつれ、他方が同時に変化する関係のことです。記号では「A↔B」で表します。

例えば、成長期の子どもの身長の変化と体重の変化は相関関係があります。また、外国語の習得時、ヒアリング力とスピーキング力とは相関関係があります。

因果関係とは

因果関係とは、一方が他方の変化を引き起こす、原因と結果の関係のことです。記号では「A→B」で表します。

例えば、日中出歩く時間と、日焼けの程度には因果関係があります。また、1日に接種するカロリーと体重の増加には因果関係があります。

相関関係と因果関係の違い

相関関係ではどちらが原因でどちらが結果なのかが不明で、時間的にどちらが先に起こるのかはわかりません。一方、因果関係では原因が結果より先に起こります。相関関係をきちんと分析していくと、因果関係を発見することがあります。

相関関係があるときの因果関係のパターン

AがBの直接原因であるパターン(A→B)

例)台風(A)でリンゴの収穫量(B)が半減した。

台風で収穫前のリンゴが落下したので、直接的な原因です。

BがAの直接原因であるパターン(記号:A←B)

例)ダイエット食品を食べる人(A)ほど肥満度が高い(B)。

ダイエット食品を食べるから肥満になるのではなく、肥満だからダイエット食品を食べるのですが、例文では因果が逆になっています。

AとBが相互に影響するパターン(A⇄B)

例)肌を掻く(A)とかゆみが増す(B)。

かゆみを覚えると肌を掻きますが、搔くことで肌にキズがついたり肌の保護成分が失われ、さらにかゆくなって肌を搔く、というように、相互に影響を及ぼしています。

AがBの間接原因であるパターン(A→C→B、またはA↔C→B、またはA→C↔D→B など)

例)コーヒーを飲む(A)と心臓病のリスクが高くなる(B)。

心臓病のリスクは砂糖の過剰摂取によって引き起こされるのですが、コーヒーに砂糖をたくさん入れる人が心臓病になりやすかったため、例文では直接的な原因である砂糖の影響(C)ではなくコーヒーが原因とされています。

AもBも他の原因の結果であるパターン(C→AかつC→B)

例)ジャンクフードばかり食べる子ども(A)は睡眠時間が短い(B)。

ジャンクフードばかり食べるのも、睡眠時間が短いのも家庭環境(C)が原因です。

上記以外の関係

上記の組み合わせ
上記5つの組み合わせの場合。
複数の原因と結果
「風が吹けば桶屋が儲かる」のように複数の原因と結果が複雑に繋がっている場合。
単なる偶然、見せかけの相関
たまたま関係があるように見える場合。特に「時間」を原因や結果とした場合に、何らかの関係があるように見えやすいようです。
そもそもデータや調査方法に問題がある
意図的に改変されたデータや、統計学的に十分ではないサンプル数の調査など。

相関関係と因果関係をただしく見出す

問題解決において、データを分析し、各データの関係性を見出すことは頻繁に行われています。しかし、見出した関係性が間違っていた場合、実践した取り組みに効果が無かったり、逆に問題を深刻化させてしまう可能性もあります。また、データを出すと科学的に信頼できるようにみえますが、正しい関係性を意図的に隠したり、間違った結論に誘導したりすることは簡単にできてしまいます。

データもとに判断する場合は、相関関係と因果関係を意識する必要があり、それが曖昧な場合はそのデータを判断の根拠にしてはいけません。

記事タイトル相関関係と因果関係
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