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結婚について考える

結婚について考える
前提となる事実
2020年の生涯未婚率は、男性28.3%、女性17.8%でした。

結婚する方がよい

家賃の負担を減らせる

パートナーと生計を共にすることで、生活費を節約することができます。とくに支出の中でもウエイトの大きい家賃は、一人暮らしの時よりも負担を軽減できます。たとえば、東京都で住宅地としては中心的な郊外の単身者向け賃貸物件の家賃の相場は、4〜7万円台であるのに対し、ファミリー向け6〜12万円台です。また都心でも、単身者向けは11〜12万円台、ファミリー向けは25〜36万円台と(参考01)、いずれもファミリー向け物件に2人で暮らすことで、1人当たりの負担額は、単身者よりパートナーのいる方が安くなります。この傾向は全ての都道府県に当てはまります(参考02)。

結婚すると寿命が延びる

支え合えるパートナーの存在は、孤独感の緩和、そして長寿につながります。独身研究家の荒川氏が、性別と配偶者の有無別に死亡年齢を調査したところ、配偶者と死別するまで添い遂げた人は、男女ともに他のケース(生涯未婚や離別など)よりも長生きしていることが分かりました。一方、生涯未婚者の男性は最も短命で、死亡年齢の中央値(生涯未婚男性の半数が死亡する年齢)が67.2歳と、日本人男性の平均寿命81.64歳を大きく下回っていました(参考03)。また、内閣官房の行った「孤独感」についての調査では、「しばしばある・常にある」と回答した人の割合は、男女ともに生涯未婚者が最も高く、既婚者の3倍以上でした(参考04)。

大切な人と共に生きる幸せ

配偶者の有無は、幸福度の高さにも影響を与えます。2020年に国内で荒川氏が調査したところでは、既婚者の6割が「幸せである」と感じている一方、生涯未婚者は4割未満でした(参考05)。また、自分のためではなく他者のために行動する方が、より幸せを感じるという研究成果からも明らかなように(参考06)、一人で得られる満足感には限界があるというのも事実です。人間が社会的動物であることからは逃れられず、また最小単位の社会は、やはり夫婦からなる家族と言えるのです。

結婚しない方がよい

自分のために使えるお金

独身であれば、誰に気兼ねすることもなく、自分で稼いだお金の使い道は自分で決められます。2021年の家計調査から「支出」を確認すると、「教養娯楽費」(習い事や趣味に使った金額)は、単身者が約1万7000円であるのに対して、2人以上の世帯では約2万5000円でした(参考01)。2人以上世帯の平均人数は2.93人であることから、それを1人当たりに換算するとおよそ8500円となり、単身者は、家庭がある人よりも、2倍の金額を自分の好きなことに使えているのです。

自由なライフスタイル

2021年の「結婚と出産に関する全国調査」では、独身生活の利点として「行動や生き方が自由」が最も多く挙げられました。(参考02)。また、未婚者に対してのライフスタイルに関する調査で、1997年以降「気軽に遊べる友人が多い」人は、減少しているのに対して、「一人の生活を続けても寂しくない」と回答した人は、1997年から増加傾向にあり、2021年には男女とも半数以上が「寂しくない」と回答しています(参考03)。さらに、「生きがいと呼べる趣味がある」未婚者も6割以上に及ぶことから(参考03)、「個」の時間を充実させられる現代社会において、結婚に縛られたくないという考えに至るのは必然です。

離婚のリスク

永遠を誓い合っても、離別することは珍しくありません。2020年の離婚件数は約19万3,000組、同年の婚姻件数の52万組(参考04)に対して、およそ3分の1に相当します。離婚の理由としては「性格の不一致」が圧倒的に多く、男女ともに最多の離婚動機でした(参考05)。そこから、他者と生活を共にすることの難しさが見て取れます。さらに離婚する際には、財産分与や慰謝料をめぐって、子どもがいた場合は親権や養育費を争って、裁判にまで及ぶケースもあります。離婚比率を鑑みれば、結婚すると同時に、このような精神的、経済的リスクが生じていると言えます。

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