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きのこたけのこ論争について考える

きのこたけのこ論争について考える
前提となる事実
明治のチョコレート菓子の代表格である「きのこの山」と「たけのこの里」は、過去に3回「きのこたけのこ国民総選挙」が実施されるほど、どちらが美味しいのかについての論争が白熱しています。

「きのこの山」の方が素晴らしい

パーツごとに美味しい!

「きのこの山」の美味しさは、チョコレートとクラッカー、それぞれのパーツのクオリティの高さによります。少しビターな味わいで、子どもから大人まで楽しめるチョコレートと、単体で商品化されるほど完成度の高いクラッカー(参考01)、そしてそのいずれもが放つ小気味よい歯応え。その美味しさは日本人だけでなく外国人からも高く評価されており、インタビューでは6割以上が「きのこの山」を支持しました(参考02)。

お手軽でお得!

「たけのこの里」は、クッキー部分が柔らかいせいでパッケージの袋の中でいくらか崩れてしまい、どうしても粉っぽくなったクッキー生地が手についてしまいます(参考03)。その点、「きのこの山」はチョコレートもクラッカーもパリッとしているため手につきにくく、勉強やデスクワークのお供としてもピッタリです。また、「たけのこ里」よりも1箱の内容量が4g多くてお得なのです(参考03)。

見た目が可愛い!

ツヤツヤとしたチョコレートとクラッカーの軸は、多くの人が思い描く「きのこ」を見事に再現しています。年齢によっては本物の「きのこ」よりも「きのこの山」によって、その形を知り得ている可能性も高いほど、もはや「きのこ」のアイコンとして浸透しています。さらに、フォルムの可愛らしさから「きのこの山」を模したイヤホンが公式に発売されるなど(参考04)、味だけにとどまらずビジュアルも多くの人から愛されていると言えます。

ファンシーなチョコスナックのパイオニアとしての風格

「きのこの山」が発売された1975年は、かろうじてグリコから「ポッキー」は発売されていたものの、チョコレート菓子と言えば板チョコが主流で、可愛らしい形の商品はほとんど流通していませんでした。先行して発売していた「アポロ」への消費者の反応も薄かったことから、「きのこの山」は企画立案から試行錯誤を重ねて、5年もの歳月を費やしようやく商品化されました。その甲斐あって「きのこの山」はメーカーのみならず日本を代表するファンシーチョコスナックとなり、4年後に姉妹商品として「たけのこの里」が発売されました(参考05)(参考06)。実際、「たけのこの里」発売当初のCMソングは「きのこの山のその奥に、たけのこの里があったとさ」と、「きのこの山」ありきの歌い出しになっています。つまり、「きのこの山」なくして「たけのこの里」は存在し得ないのです。

「たけのこの里」の方が素晴らしい

チョコがけクッキーとしての完成度の高さ!

「きのこの山」はその形状の特徴から、チョコレートの部分だけ先にかじって食べられたり、パッケージ中で「きのこ」の笠にあたる部分と柄(え)にあたる部分が割れてしまい、「きのこ」の頭が取れてしまっているのを目にすることが多々あります。その点「たけのこ里」は、クッキーとチョコレートを分離せず一緒に味わう人が圧倒的に多い商品です。理由は形状によるものではなく、クッキーとチョコレートの味わいが見事なハーモニーを織り成しているからです。その一体感は、サクサクな食感でありながら口溶けのよいクッキー生地によって支えられています。クッキー部分が柔らかいからこそ、食べたときにチョコレートと溶け合うのです(参考01)。また、クッキー部分は甘味だけではなく塩味があることで、ミルクチョコレートのまろやかな甘さを引き立てています(参考02)。

人気がある!

「きのこの山」と「たけのこ里」の人気を問うた「きのこたけのこ国民総選挙」(2001年、2018年、2019年開催)において、「たけのこの里」は3回のうち2回の勝利をおさめています(参考03)。また、どちらが「好きか?」という主観的なアンケートだけでなく、実質的な売上についても、7000万人を対象にした2023年の購買商品ランキングでは、チョコレートのカテゴリーにおいて「たけのこの里」は6位、「きのこの山」は18位でした(参考04)。他にも、2021年まで30年間の売上POSデータにおけるシェアを見ても「たけのこの里」は「きのこの山」を上回っていました(参考05)。

味もデザインも日本を代表するお菓子

「きのこの山」と「たけのこの里」は、「日本のふるさと」をテーマにしたチョコスナックです。パッケージデザインも日本の原風景、のどかな農村と里山のイラストをイメージしています(参考06)。どちらが、より日本らしいデザインかと言えば、それは「たけのこ」になるでしょう。実際に海外の人からの感想を集めた際には、欧米では「たけのこ」という食材に馴染みがないからこそ「日本独自の面白さがあって良い」という感想を得ていました(参考07)。また、「きのこの山」はすでに発売されていた「アポロ」の製造方法を転用した商品であるのに対して(参考06)、「たけのこの里」は後発ゆえに、デザインも味わいもオリジナリティーを実現しており、日本のファンシーなチョコレート菓子としての完成形だと言えます。

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