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スペシャリストとジェネラリストについて考える

スペシャリストとジェネラリストについて考える
前提となる事実
一般的には、専門性の高い人材を「スペシャリスト」、幅広い業務に対応できる人材を「ジェネラリスト(ゼネラリスト)」と呼びます。

スペシャリストが重要

スペシャリストとは

スペシャリストとは、特定の専門分野に秀でている人材です。強い探究心と集中力を持っていて、長い経験を積むことで高い技術力やスキルを身につけていきます。そのため、得意分野においては替えの効かない存在と言えます(参考01)。例えば、研究員やエンジニアの場合、欠員が出たからといって専門知識を持たない他の部署の人材で穴埋めすることは不可能です。現代の一般企業の業務は複雑化し、細分化しているため、スペシャリストの存在は重要です。また、スペシャリストはその道のプロフェッショナルであるため、弁護士や医師のように独立開業できる点は強みのひとつです。

医師の場合【専門医】

現代の医療は、日進月歩で技術の発展を果たしてきました。例えば、内視鏡治療の精度が向上したことで、かつては開腹手術が必要だった消化器系のがんでも、内視鏡による切除で済むケースが増えました(参考02)。内視鏡による治療は、手術よりも高齢の患者への負担が少ないだけでなく、術後の回復の速さによって現役世代の社会復帰を早めることができます(参考02)。そのため、現代医療において重視されている患者のQOL(生活の質)の向上に大きく寄与しています。しかし、このような技術は専門性が高く、その分野の知識を深く掘り下げ多くの経験を積み重ねることで、ようやく習得し確立できるものなのです。そこで、高度な知識や経験、技術を有する専門医(この場合は消化器内視鏡専門医)の存在が重視されるようになりました。専門医とは、医師国家試験に合格した後に臨床研修を重ねて、診療科ごと、あるいは部位ごと、治療法ごとの専門医試験に合格して得られる資格です(参考03)。

他の例【伝統工芸の職人】

日本の伝統工芸の多くは「分業制」によって支えられてきました。例えば、螺鈿の施された漆器や、鋳物などは、完成するまでの工程ごとに違う職人が携わっています(参考04)。それぞれの職人は、分業によって限定された工程を担当することで、その経験と知識を積み重ね、技術を究めた言わばスペシャリストです。具体的には、着物の「友禅」の場合、図案のデザイン、生地の製作、図案の下絵を描く、染める前の工程として下絵に合わせて糊を置く、生地に染料を乗せ彩色するなど、各工程ごとに研鑽を重ねた職人が担当することで、美術品としての鑑賞に耐えうるほどの最高級染め物が完成するのです(参考05)。

ジェネラリストが重要

ジェネラリストとは

ジェネラリストとは、幅広い知識と経験、俯瞰的な視野を持ち、さまざまな仕事をこなせるオールラウンダー型の人材を指します。コミュニケーション能力にも長けていて、あらゆる場面で客観的かつ柔軟性のある公正な判断をすることができます。人によっては、リーダーシップを発揮して、チームやプロジェクトのまとめ役を務めることもあります。そのため、所属している組織内で高いポストに就く場合もあります。特定の分野で傑出した存在感を放つスペシャリストと比べると、替えの効く存在ですが、管理職や経営責任者などの実績があれば、全く違う業種でも求められ活躍できる人材と言えます。つまり、組織やチームには必要不可欠な存在なのです(参考01)。

医師の場合【総合診療医】

ジェネラリストは、他の職種においては、知識を「浅く広く」網羅している点などを揶揄され「器用貧乏」とか「赤魔道士」などと称されることもあります。しかし、医師におけるジェネラリスト「総合診療医」は、専門医(スペシャリスト)に匹敵する深い知識を持ち合わせています(参考02)。現代の医療は、技術の発展などによって多くの命を救えるようになった一方で、患者を臓器単位で診断し治療にあたる傾向が強くなっていました。しかし、人体そのものや疾病は部分だけで判断できるものではありません。1人の人間のフィジカルやメンタル、置かれている環境まで捉えて、その全体像に目を向けた診療(全人的医療)を行える人材が強く求められています。超高齢社会にある日本では、かかりつけ医と呼ばれる一般的な内科医の存在も見直されていますが(参考03)、その要件を満たした上でさらに救急外来で対応できるほどの知識と経験を積んだ総合診療医は、地域医療の医師不足の解消にも重要な役割を果たします(参考04)。また、日本特有の事情に限らず、新型コロナのような感染症が蔓延した状況でも、診療科を跨いで治療の方針を示せる総合診療医の存在は欠かせません(参考05)(参考06)。

他の例【プロジェクトマネージャー】

高度成長期の頃のような、「モノづくり」が全盛を誇る時代は過ぎましたが、システム開発などに代表されるように、何かをつくり、生み出すことは引き続き求められています。そのようなプロジェクトを総括しているのが「プロジェクトマネージャー」です。例えば、システム開発は専門職であるエンジニアだけでは成り立ちません。顧客の要望を聞き、どのようなシステムが必要か判断し、その開発に必要なメンバーを集めてチームを編成し、予算や納期に合わせてマネジメントしていく役割が必要です(参考07)(参考08)。映画作りで言うところの監督兼プロデューサーであり、プロスポーツであれば、監督とフロントを両方こなしていると言えます。

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